思い出せない

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「……私、あなたに大事なことを言うって決めてたんだけどさ、思い出せない。ねぇ、何だったか覚えてない?あなた記憶力いいし」 「おまえの思惑なんて、覚えてるどころか知りもしねーよ。あ、名前のこと?」 「ううん。昼休みの間も、残業中も、地下鉄の中でも、そのことをずっと考えてたんだけどな。改札であなたの顔を見たら忘れちゃった」 「俺の顔のせいかよ。あ、俺、コンビニ寄って煙草買ってく。おまえ先に帰れ。明日の朝のパンと牛乳も買っとくから」 「……私も行く。体温計の電池、ずっと切れてるの」 「体温計?今朝、使ったけど電池あったぞ」
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