11人が本棚に入れています
本棚に追加
/5ページ
「……私、あなたに大事なことを言うって決めてたんだけどさ、思い出せない。ねぇ、何だったか覚えてない?あなた記憶力いいし」
「おまえの思惑なんて、覚えてるどころか知りもしねーよ。あ、名前のこと?」
「ううん。昼休みの間も、残業中も、地下鉄の中でも、そのことをずっと考えてたんだけどな。改札であなたの顔を見たら忘れちゃった」
「俺の顔のせいかよ。あ、俺、コンビニ寄って煙草買ってく。おまえ先に帰れ。明日の朝のパンと牛乳も買っとくから」
「……私も行く。体温計の電池、ずっと切れてるの」
「体温計?今朝、使ったけど電池あったぞ」
最初のコメントを投稿しよう!