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翌日大学に行って午前の講義が終わると、僕は侑志と学食に行って昼食を取った。
昼食を食べ終わって休憩している時侑志が僕に話をしてくれた。
「話そうかどうしようか迷ったんだけれど、巧生には月那さんという恋人がいたと思うよ!」
僕は不思議に思って、
「僕の恋人は有彩じゃないの?」
と侑志に聞き返した。
「やっぱり覚えてないよね!」
侑志の言葉が何となく意味ありげで、僕の心はもやがかかったような状態になった。
その日、自宅に帰ってから僕は自分のスマートフォンのアドレス帳を見ると、月那という名前が登録されていることを発見した。
僕はさっそく月那に電話をかけてみた。
「もしもし、巧生?
最近連絡がなかったからどうしたのかなと思って心配していたの…
3ヶ月前に巧生から突然当面連絡してこないでと言われていたから、私ずっと巧生から連絡が来るのを待っていたんだよ!」
月那の思いがけない言葉に、僕はどう答えたらいいのかわからなかったけれど、今の自分の状況を正直に話した。
僕は3ヶ月程前から記憶喪失になって最近2年間の記憶がないこと、月那のことを思い出せないことを正直に話した。
話を聞いていた月那は、少し困惑しているようだった。
「会って話をしたいんですけど、いいですか?」
僕が月那に話すと、
「何か他人行儀だね!
私はかまわないけど…」
と答えてくれた。
僕は月那と翌日大学の講義が終わった後、新宿で待ち合わせして会うことになった。
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