記憶喪失

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翌日夕刻に新宿の待ち合わせ場所に行くと、 「巧生」 と女性が声をかけてくれた。 「月那…さん?」 僕が半信半疑に聞くと、 「やだ、そうだよ!  月那と呼び捨てでいいよ!」 と返事をしてくれた。 月那は僕がお付き合いしていたとは思えないほど、とても美しい女性だった。 月那と僕はファミレスに行って、夕食を取ることにした。 僕は机の対面に座った月那の顔をじろじろと見てしまった。 「やだ、そんなに見つめないで…」 月那が恥ずかしそうに言ったので僕は、 「ごめん、どうしても思い出せなくて…」 と苦しい胸の内を明かした。 「本当に覚えてないんだ!」 月那の不思議そうな言葉に、僕はただ頷いた。 食事を終えて月那と僕はドリンクバイキングでコーヒーをいただいた。 この時、月那が僕と2年前、大学のサークルの交流会で出会ったことを教えてくれた。 「正直に聞きたいんだけれど、有彩という女性を知ってる?」 僕が月那に有彩のことを聞いてみると、 「いいえ、知らないよ!」 と教えてくれた。 この後月那と話をした後ファミレスを出て、月那と僕は新宿駅まで一緒に歩き、帰りの電車が違う僕たちはここで別れた。
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