幽霊向上委員会

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「先生様にお礼をしなくては」 お岩姉さん達はそれぞれお酒や三味線、皷等を 出して来た。玲奈が言う 「私何も出来ないからお酌します」 「アハハありがとう玲奈ちゃんそうだ! もうすぐ源さんも来る筈だよ! どうしてもお岩姉さん達の出し物を見てみたいと言ってたからね 当分会えないから寂しいらしいよアハハ」 「あら、私も呼ぶつもりだったんだよ! 源さんには、本当に世話掛けたしね」 そこへ源さんがやって来た。 「よう、お岩姉さん達始まる前で良かったぜ」 「源さん今日はたっぷりお酒呑んで楽しんで おくれな」 「おう、喜んで!」 宴会が始まる。肴を並べ三味線、皷、歌い踊り 賑やかに時は過ぎ、お酒も進み玲奈もお酌を しながら手拍子を打つ 源さんは皿を箸で叩いていたが 自作自演の おどけた踊りを披露する 皆は久しぶりに大笑いし楽しんでいた。 時は過ぎお開きの時刻となり先生様が言う 「いゃあ、楽しませて貰ったよ お岩姉さん達ありがとう」 「お岩姉さん達ありがとうとよ、寂しくなるなあ たまには、顔見せに来ておくれよグスッ」 「源さん分かったから男が泣くもんじゃないよ 本当に世話になったね、ありがとうよ」 「そろそろ旅の用意しないといけないだろうからお開きにしょう」 先生様は言うと 「そうだね、寂しいけど先生様、源さん ありがとうございました さあ、みんな片付けて! お菊ちゃんお皿を洗っておくれよ」 お岩姉さんはしまったと思った。 「一ま~い、二ま~い、三ま〜い ......」 「お、お菊ちゃん!もういいよ!お七ちゃんお皿洗っておくれ」 「分かったよ、お菊ちゃんたらもう!」 お菊ちゃんは物を数える時は、とにかく時間が 掛かるのだ。それも九枚迄で終わるのだ。 玲奈も、お七ちゃんも、お岩姉さんも大急ぎで 洗い終わる。 お岩姉さん達はお礼を言うと源さん送っ行こうかと聞くと 「酔い醒ましに歩いて帰るからいいや」 「そうかい、じゃあね源さん」 お岩姉さん達は帰って行った。 源さんも先生様にお礼を言うとションボリ しながら帰って行った。 次の朝早くから車に旅の荷物を皆で押し込んでいた。 「さぁ旅の始まりだよ!忘れ物無いかい?」 「無いよ早く行こうよ」 「その前に閻魔大王様にご挨拶だよ!玲奈ちゃんここに来て時の入口で停めておくれよ」 玲奈は閻魔大王様の所迄車を走らさせた 閻魔大王が大きな椅子に座っていた 玲奈が知っている大王様とは違って 以外に小さなおじさんと言う感じで椅子から足先はブラブラしていた。 「お岩達よ聞くが良い 時代に着けばしてならぬ事がある 一呪い殺しはしてはならぬ! 一寿命が来た者は助けてはならぬ! 一幽霊の姿を見られた時は記憶を消さねばなぬ!守りを破れば二度とここからは出られぬぞよ!」 「閻魔大王様分かりました」 「夜に火の玉を出さぬこの腕時計を付けよ! どうしても火の玉を使う時はその顔も体も全て 元の醜い姿となろう それに念を送れば蓋は開く 普段は蓋をし、その腕時計の中にしまい込んで おくのだじゃ良いな!」 「ははあ、ありがとうござりまする」 地面に額を擦る位お辞儀をする お岩達は流石に閻魔大王様には逆らえず 崇め奉らねばならないのだ。 「玲奈よ、お岩達はそちらの時代では赤子同然 大変じゃろうがお岩達に力を貸してやるのじゃ お前はここに来て日も浅い 、よって玲奈に念の力を授ける 使いたい時は念じれば思いどうりに使えるのじゃ 分かったか?玲奈」 「はい、精一杯頑張ります」 「ならば行くがよい!」 「はい」 閻魔大王様が霧の様な方を指さすと一筋の道が 出現した 玲奈の時代に繋がったのだ。
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