幽霊向上委員会

14/31
前へ
/31ページ
次へ
「お岩姉さんお婆ちゃんが居ない」 「今頃はいつも寝てるのかい?」 「うん、とっくに寝てる筈よ何かあったらどうしょう」 「玲奈ちゃん落ち着いて......お婆ちゃんを良く 知ってる人は居ないのかい?」 「管理人さんなら分かるかも!電話して聞いてみる」 急いで電話した。 「もしもし、夜分にすみません神内登美子さんは今どちらに居るかご存知ですか?」 「登美子奥様でしたら城華病院に入院されて居られます」 「どうされたんですか?」 「御家族に御不幸がございまして余りのショックで倒れられたのですがどちら様でしょうか?」 「あ、あの親戚の者です連絡が取れなくて心配でそれで具合は?」 「食事も儘ならぬ状態で私も何度かお見舞いに 伺いましたが余りにもお気の毒で...... 余程お孫さんの亡くなった事がお辛いのでしよう早く行っておあげ下さい」 「はい、そう致しますお世話お掛けしまして ありがとうございました失礼致します」 玲奈はペタンと座り込んで倒れてしまった。 「玲奈ちゃんしっかりおし!直ぐ行くんだよ 玲奈ちゃん!」 「お菊ちゃん!お水を」 お菊ちゃんは慌ててキッチンに走る 水道水の出し方が分からない 、蛇口をネジたり 叩いたり押したり引いたりする 「何のよお水出ろ!ダメかお七ちゃん来て お水出ないよ!」 お七ちゃんが飛ん来た 「何で?おかしいね!これかな?これかな? あ!出た!だけど何かぬるいお水だよ!」 「無いよりマシよ」 何とか水と言うかお湯と言うかが出た 水を湯呑みに入れて持って来た。 「玲奈ちゃんしっかりして、お水飲んで!」 「玲奈ちゃん!玲奈ちゃん!」 お七ちゃんは泣きながら玲奈を呼ぶ 玲奈はお水を飲むと何とか気をを取り戻した。 「お岩姉さん私、私の為にお婆ちゃんが......」 玲奈は大泣きしながら、お岩姉さんにしがみつく お岩姉さんは落ち着いた声で大丈夫、大丈夫と 玲奈の背中を摩ってやった。 「お婆ちゃんの病院に行かなきゃ!」 「車、動かせるのかい?近くなら歩いて行けば?」 「少し遠いから私大丈夫よ心配掛けてごめんね」 「じゃあ皆で行くよ!事故起こしても二度は 死なないし平気だよねぇ 何なら私が車動かそうかい?」 「お岩姉さんたら勘弁してよね」 「そうだよ!お菊ちゃん! 私はお岩姉さんの車は絶対にご勘弁!」 4人は直ぐに車に飛び乗り病院に行った 病院は夜は入れ無いが看護師に説明し特別室に 急いだ、ただ看護師は日本髪の3人には流石に 驚いていた。芸者さん?役者さん?と...... 玲奈は特別室のドアをそっと開けた 登美子が眠っている点滴を打たれふっくら していた登美子はかなり痩せていた 玲奈は登美子の傍に足を偲ばせ小声で話す。 「お婆ちゃんこんなに痩せて......ごめんなさい」 涙が止まらない 「玲奈ちゃん、お婆ちゃんにちょっとだけ 念を使って玲奈ちゃんと分からない様に顔を 変えるけどいいかい?」 お岩姉さんはそう言うと登美子の額に人差し指をそっと当てた。
/31ページ

最初のコメントを投稿しよう!

14人が本棚に入れています
本棚に追加