幽霊向上委員会

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パソコンを買い終わると既にお昼を過ぎていた 登美子も流石に疲れお昼ご飯を食べる事にした 「お岩姉ちゃん達は何が食べたい?」 「昨日はゴッテリしてたからお蕎麦が食べたいねぇ」 「ここらで美味しいお蕎麦屋さんは......」 お婆ちゃんは時々行くお店に急ぐ 「そんなに急がなくてもいいんじゃないかい?」 「時間が勿体ないでしょ?お岩ちゃん達には沢山覚えて貰いたいものオホホ」 日本庭園のある落ちついた広い店で美味しいお蕎麦を食べる 「やっぱりお婆ちゃんが教えてくれる食べ物は 全部美味しいね!お岩姉さん、お菊ちゃん」 「本当に美味しいお蕎麦だねぇ」 「ここでは皆贅沢なご飯食べるんだね!」 「お七ちゃん違うのよ、それぞれ色々な生活を してその日の食べ物さへ無い人達が沢山いますよ 私だって昔は田舎の貧乏人の家に生まれていつもお腹空かしていたわ 7歳でしじみを取って売りに行かされ しじみが売れないと思い切り殴られ蹴られて 学校にも行かせて貰えなくて酷い両親だった..... 9歳の時しじみを全部買ってくれたおじさんが 優しい人で色々勉強を教えてくれたのよ 学校の先生だったの 曾祖父が地主でその曾孫だったけど嫁が気にいらないと喧嘩になってね 一人息子のおじさんは皆の反対を押し切り結婚し家を出て小さな家で3人で暮らしたの 子供が出来なかったおじさん達は傷だらけの 私を養女にしてくれて大学迄行かせてくれたのよ あの時が一番幸せだったわ いつも笑いの耐えない家でね でも曾祖父が亡くなり、祖父が病気で亡くなって実家に戻されて母は祖母の世話をしてたわ 私を孫と呼んで欲しくてね 祖母は最後迄、孫と呼んでくれなかったけどね きつい祖母だったけど愚痴も言わず尽くしてた 母は実の子のように私を可愛いがってくれたわ あの父母がいなかったらどんな人生だったか...... だからお岩ちゃん達にもしっかり勉強して欲しいのよ」 「お婆ちゃん苦労したんだねグスッ」 「貧乏を知ってるからこそ分かる事もあるのよ 毎日こんなご馳走はしないわよ 普段は普通のご飯ですよオホホ」 玲奈も殆ど知らなかった登美子がそんなに苦労 してた事を いつも明るく優雅に生きて来たと思っていたのだ 「あら、嫌だわ!無駄な話しをしてしまって ごめんなさいねオホホ さあ帰って勉強をしましょうか?」 「はいお婆ちゃん!私頑張ってお婆ちゃんに 褒めて貰いたいもん」 「お七ちゃんには負けないからね!」 「おや!私を抜けるとでも?アハハ」 「皆頑張ろう!おお~アハハ」 玲奈が椅子から立ち上がり振り返ったその時 見てしまった 思わず椅子に座った 「どうしたの?玲奈」 「あいつよ!」 「あいつって誰だい?」 「私を殺した奴よ!赤い服を着ている女の前に 座ってる」 「何ですって!私の玲奈を殺した奴ですって! 許せない!何処なの?この目でしっかり見てやるわ!警察に電話を!」 「お婆ちゃん落ち着いて!何の証拠も無いのよ」 お岩姉さん達は周りを見渡す 「あ!いた!あいつが玲奈ちゃんを......」 「又、女を騙すつもりよ!お岩姉さんどうしたらいいの?」 「玲奈ちゃん私にお任せ!」 お岩姉さんがさりげなく、その男に近づく。
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