幽霊向上委員会

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歩きながらわざと躓き男の肩に手を置いて 「あら、ごめんなさいね」 男はお岩姉さんを見て笑った お岩姉さんはそのまま外に出る 「お菊ちゃんあれだ!」 「そうだね私らも行くよ!お七ちゃん! 玲奈ちゃん達はあいつに気付かれないで 車で待ってて」 そう言うとお菊ちゃんとお七ちゃんは女に近づく 二人で話しながら女にパソコンの箱をわざと ぶつけ 「あ、ごめんなさい痛くなかった?」 そう言うと女の肩にトンと手を付け外に出た 玲奈は目立たない様に髪の毛で顔を隠しうつむき加減で店を出る お婆ちゃんは男の顔を睨みながら外に出る 駐車場に急ぐ お菊ちゃん達が待っていた玲奈が皆に聞いた。 「お岩ちゃん達いったい何をしたの?」 「あいつの企みを見てやったんだよ」 「私らは女の気持ちを見たのよ」 「それで......」 女と腕を組んで男が出て来た。 「これは追うしかないねぇヤバい奴だ!」 「お婆ちゃんごめんなさい悪いけどタクシーで 帰ってくれる?」 「分かったわ気をつけて!」 男は女を派手な車に乗せ出て行く 玲奈達も後を追う 「あいつ何処に行くんだろう?」 「きっと駅に行くよ!」 「何故分かるの?」 「あいつの企みはお見通しだよ! 玲奈ちゃんも男見る目無いねぇ」 「お岩姉さんに言われたくないないよ!」 「それもそうだねぇアハハ」 男の車が駅の近くで止まった 車の中で女がお金を渡し車のドアを開け 手を振って別れ男は車を走らせた。 「あいつ!女に貢がせてるんだね!随分急いでるけど何処に行くんだろう」 「次の女が待ってるんだよ!」 「ええ、二股!」 「とんでもないもっといるよ! 玲奈ちゃん見えないかい?一人女がいるだろう?」 「うん!いるいる玲奈ちゃん見えないの?」 「私ら皆見えてるよ」 「今、女が降りたけど......あ!」 一人の女が後ろの席に座っている この世の者ではない 男に殺されまだ遺体が見つかっていないのだ。 「先ずあの子を助けないと!お岩姉さんどうする?私がしようか?」 お菊ちゃんが負けずに言う 「お七ちゃん私がするわよ! ねぇお岩姉さんいいでしょ?」 「可哀想な子だね!体を探してあの世に送って あげないとずっとこのまま彷徨う事になるよ!」 「体が何処にあるか分からないのにどうして探すの?」 「玲奈ちゃんあの子に聞けばいいじゃないか」 「どうやって?」 「玲奈ちゃんいい加減覚えておくれよ 私らは幽霊だよ!念を送って聞くんだよ」 「玲奈ちゃんに任せた! 幽霊向上委員会の初仕事だね! 私ら見てるよ頑張れ!」 「あ、そうか!そうだよね、私やってみる!」 玲奈は女に出来る限りの強い念を送り聞いた。
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