天の穴

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きれいな月が浮かんでいる。 ぼくは月を睨む。 そんなに、きれいな顔をして、人を誘うな。 ぼくは、沙織のためにも、父さんのためにも ぜったい、お前の穴は通らない。 歯を食いしばって、この汚い地上で生きる。 そう誓って、きれいなふりをしている月を見上げた。
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