天の穴

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「月は天にあいた救いの穴なんだよ」 父さんが言った。 月のきれいな夜、父さんは、自分からその穴を抜けて逝ってしまった。 自殺だった。 ぼくは、大人になってからも、いつも、父さんと同じになって しまうんじゃないかと不安だった。 そんな時、彼女に会った。 名前を、沙織、といった。
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