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兄弟でもいいって、なんて心が広い人……、なワケあるか!!
「じゃあ、先生。またな」
熱烈な告白をしてきたくせに、デュークは意外とアッサリと別れの言葉を言ってドアを閉めた。
湿っぽく泣かれるよりマシだったが、昨夜の乱れっぷりを見られているので、アッサリしてくれて助かった。
平静を装って世話になったな、なんて言ってドアに背を向けたが、すぐに顔が熱くなって恥ずかしさで死にそうになった。
まさか、薬の効果であんな風になってしまうとは、やはりクスリとは恐ろしいものだ。絶対手を出してはいけない!というか、盛られたのだが。
早朝俺の荷物は運び出されて、次の相手の部屋に置かれているはずだ。
ヤリ過ぎて起きれなかった俺は、先に荷物だけ運んでもらい午前中は横にならせてもらった。
今日が休みであって本当に助かった。そのうちに、破壊された保健室の件や、昨日の生徒の件など、デュークが呼ばれて代わりに動いてもらった。
次の相手の部屋に向かいながら、昨日のデュークがいかに恐ろしかったか思い出して震えていた。
あの生徒の事はやったことはアレだが、もともとアリアスが撒いていた種なので、全力で責めることはできない。薬を持ち込んだ事なども合わせて、校長が厳正な処分をしてくれるはずだ。
魔法を使える者は多いが、デュークのあの魔王みたいな姿は、公爵家の特別な力らしい。公爵家は古代の魔族の血を引いていて、何十年かに一人、その血を色濃く受け継ぐ者が生まれるらしい。
ラスボス感しかないデュークは、俺の中で主人公という信頼で一番まともな存在であったのに、取扱い注意人物になった。
昨日の行為に関しては、薬の力もあったが、あんなに気持ちいい経験をしてしまい、しばらく忘れられそうになかった。
グダグダ考えながら歩いていたら、次の野郎の部屋に着いてしまった。
話し合いでデュークの後に手を挙げたのは、ライジンだった。
全員の中で一番体がデカくて逞しい男。あまり絡む事はなかったし、向こうも喋るタイプじゃないので、まともに話が通じるのかは不明。
それなのに、なぜ俺の婚約者候補に立候補したのかは分からなかった。
デュークのように明らかな好意を向けられていたわけではない。
ヤツから接触があった時は、だいたい食いたいとか、食わせろとか尻を狙われている場面だけ。
ライジンに関して言えば、本能的な性の欲求を向けられているだけ、という事だろう。
最初にビシッとヤりたいだけお断りと伝えて、それで興味をなくすなら万々歳。
もし強引にヤられそうになっても、そこに関しては俺も考えている。
ヤツも男だ、プライドがあるだろう。力でとても敵わなくても、そこをくすぐれば上手く操れるだろうと計算していた。
ノックをしたが、ライジンの返事はなかった。今日は休日、部屋でのんびりするタイプには見えなかったので、どうせご自慢の筋肉でも可愛がりに行っているのだろう。
予め渡されていた鍵を使って中に入った。
ものぐさで小汚い男臭い部屋を想像していたが、意外と物が少なくすっきりと整理された部屋だった。
すでに運び込まれていた荷物を解き、中から例の攻略本を取り出した。
主人のいない部屋で寛ぐのは気が引けたので、部屋の隅の床に座った。
ライジンは俺が転生したかった男だ。嫉妬もあって適当に読み飛ばしていたライジンのページを確認しておく事にした。
数々の戦いで勝利を収めてきた伝説の剣豪を父に持ち、自らも幼い頃から剣の才能に目覚めて、数々の戦いで生き抜いてきた男。
ゲームでは主人公とは幼なじみ。剣を交えて心の距離を詰めていき、やがて離れられない関係に、と説明が書かれている。
イベントには、一緒に魔物退治とか剣術大会で優勝を競うとか書かれていて、アホくさと声に出してしまった。
これがライジンと心の距離を詰める方法なら、俺は一生かかっても友人にすらなれないだろう。なんたって俺はただの見た目がエロいだけのセクシー保健医。他になんの恩恵も受けられないハズレキャラだ。
ちなみにキャラの中で魔法が使えないのは俺とライジンだけ。
ライジンは魔力がなくても他がブチ抜いているが、俺は本当に使えなさすぎるキャラだ。
無性にイライラし始めて膝を抱えていたら、ガチャリと鍵が開けられる音がしてドアが開き、ライジンが帰ってきた。
部屋の隅に座っている俺を発見すると、おう保健医かとぶっきらぼうに声をかけてきた。
「なんだ、変な顔をして。デュークと何かあったのか?」
「変な顔ってどんな顔だよ。別に何もない」
のしのしとデカい図体を揺らしながら入ってきたライジンは、真っ直ぐ俺の前でしゃがんだ。
「デュークは多分、アンタがいなくなって寂しがってるだろうな」
「あー、二人は幼なじみだっけ」
「そうだ。俺がまともに話すのはアイツくらいだな。後の人間はうるさくて邪魔だ」
デュークの事を思う素振りを見せながら、俺を部屋に招いた事がよく分からなくて、俺はしゃがんでもまだ目線が上のライジンの顔を見上げた。
「なんだ?ヤリたいのか?」
「はっ……!?はあ!?」
「そういう顔をしてるし、美味そうな匂いがする」
「だっ!!何でいきなり!?って!わぁぁぁ!!」
ちんこで頭が出来てるんじゃないかと思うくらいの勝手な思い込みをされて、俺はライジンに抱えられて、ジタバタする暇もなくベッドに放り投げられた。
なんて雑な扱いだと抗議したかったが、すぐにライジンが上に乗ってきたので、重いと悲鳴を上げることを優先した。
「俺だってずっと食べたかったお前が俺の部屋にいるんだ。我慢できるはずがない」
初日からいきなりこれかと、頭痛がしながら俺は年上として教師としての仮面をシャキッと付け直して、ライジンを説き伏せることにした。
と言っても組み敷かれている体勢ではまともに話せないので一度起き上がってから、膝を突き合わせて向き合った。
「ライジン!まず俺はヤリたいだけの、性欲を満たすだけの相手を見つけるためにこんな事をやっているんじゃない!そもそも俺は結婚なんてしたくなかったし、男とヤるのも好きじゃない!親父に命令されてこんな事になったが、相手はちゃんと選びたいと思っている。体だけ欲されても付き合う事はできない。それが面倒だとか嫌だと思うなら……」
「べつに体だけじゃない」
必死に熱弁を振るっていたら、一言で返されてしまった。体目当てならだめよと強調しているはずが、バッサリ否定されて、これでは俺が勝手にそう思い込んでいたひどい人のようだ。
「は!?だってお前そうだろ!?俺に会えばいつも食いたい食いたいって……」
「美味そうなアンタを見て、食いたいって思って何が悪い」
そんな風に当たり前のように言われると、ああそうかと言いそうになって俺は違う違うと拳に力を入れた。
「……だっ…、思うのは勝手だが、それを実行に移すのは話が違うだろ!……それに、お前、よく考えてみろ!」
「考える…?何をだ?ハッキリ言ってくれないと俺は分からない」
そーですよね、頭の中筋肉っぽいし、という言葉を飲み込んで、俺はここで考えていた切り札を出す事にした。
「あー、ええと、俺は…その、デュークと…もう、そういう事になってるから……。男だったら…、嫌だろ?友達と穴兄弟…なんて」
俺の言葉にライジンは、面食らったような顔になって、パチパチと目を見開いていた。
ゴツイ顔のくせに、やけに子供っぽい仕草がなんだか可愛く思えて、俺はおかしくて噴き出しそうになったが、先に吹き出したのはライジンの方だった。
眉間にシワが寄った厳つい顔のくせに、それを壊して、大きな口を開けてゲラゲラ豪快に笑い出した。
「ははははっ、保健医、何を言い出すかと思えばそんなことか……」
「そんなことって…!!気にならないのかよ!」
男はけっこう気にするところだ。そんなはずがあるかと、ムキになって俺はライジンに近づいた。まさか俺の切り札が粉々に砕かれると思わなかった。
「……やっぱり可愛いな、アンタ。こんなに甘い匂いをさせて…たまらないんだよ。デュークが手を出したとかはどうでもいい。アンタを俺に夢中にさせたい」
「や…やめ……触るなって……」
「確かに初めは美味そうだから近づいたが、俺は…あの時から、アンタの体も心も自分のものにしたかった」
デカい腕に掴まれて逃げられるはずなどない。あっという間にライジンに腕を引き寄せられて胸の中に捕まえられた。
ライジンの胸の鼓動がどくどくを早鐘を打っているのが肌で伝わってきた。
触れられている場所が全部焼けるように熱くなってきた。
「はぁはぁ……だめだ……ライジン、俺に触れたら……」
「触れたらどうなるんだ?ああ、匂いがもっと甘くなった」
ライジンが鼻先を俺の首筋に寄せてクンクンと匂いを嗅いできた。わずかに息がかかる程度の感覚で、俺は強烈な快感を感じてビクビクと体を揺らした。
ゲームの登場人物に触れられるとすぐこれだ。このアホみたいな特性をなんとかして欲しい。
「もう後ろが濡れてるぞ。服の上まで染みてきている」
ズボンをガッと下ろされてライジンは俺の後ろの孔にいきなり指を入れてきた。もちろん、特性が働いて後ろはもう濡れすぎてボタボタと愛液を垂らしていた。
色んな意味でこの後ろが濡れる感覚は慣れないし、恥ずかしすぎる。
「ひ…ん、やだ……恥ずかし…」
「そうだな。こんなに濡らして…恥ずかしいやつだ」
年下の生徒に言葉責めをされる状況が受け入れられないのだが、俺の体はライジンの指を喜んでがぶがぶと飲み込んだ。
「あぁ…そこ……」
俺はあっさり快感に負けて、自分のいいところをライジンに擦ってもらいたくて、甘い声を出してしまった。
「ああ、いい声だ。もっと興奮させてくれ」
ライジンは場所を覚えたのか、的確に俺のいいところを突いてくる。俺は快感に声を漏らしながらも、このまま身を任せていいのか迷う気持ちがあった。
「ま…待って、ライジン…あっ…んんっ」
「なんだ?ここも触って欲しいのか?」
ライジンが俺の硬くなった前を掴んできたので、そうそうそれ、と言いそうになって違う!と頭の中で自分にツッコんだ。
「なんで……俺なんだ…、体だけじゃな…んだろ…。どう…て俺が…欲し……んだ…」
前を大きな手で掴まれて、ガシガシと雑に擦られるのだが、それがまたいい!
……じゃなくて!ちゃんと聞かないと!
気持ち良すぎて腰を揺らしながらも、やっと聞くべきことを口にできた。
ライジンは集中していたところを気持ちを削がれたらしく、面倒くさそうに小さくため息をついた。
「……虫だ」
「は!?」
「俺に付いていた虫を払ってくれただろう。それでアンタが好きになった」
衝撃的過ぎて言葉が出なくて、俺は大きな口を開けて固まった。
確かに人を好きになるきっかけなんて、人それぞれではある。しかし、ライジンと言えば、一緒に剣を交えて高みを目指すことで恋愛感情が湧くような、脳みそ体育会系のはずだ。
それが、虫!
確かに以前、庭園で寝ていたライジンの顔に蜂が止まっていたので、それを払った記憶はある。
異常に虫嫌いで命の恩人くらい大袈裟に思われたのか、よく分からないが、よくそれで好きになれるなと信じられなかった。
「……そんな大口を開けて。美味そうな顔をするな」
ライジンは俺の開いていた口にかぶりつくように口を合わせてきて、舌を押し込んできた。
「んっ…ふっ…っっ……んっ!!んんっ」
じゅるじゅると舌を吸われて、飲み込めなかったどちらとも分からない唾が俺の口の端から流れて胸元まで落ちた。
満足そうに口を離したライジンが、舌を出してそれを下からベロリと舐め取った。
その光景がエロ過ぎて震えた俺は、ライジンの手で擦られながら達してしまった。
「あ…あっ…ああっ!…はっ…んんっ…ライジン……」
イってもなお止まらない快感の余韻に浸っていたら、ライジンは体勢を変えて俺の足を持ち上げてきた。
イった後のとろんとした頭でぼんやり見ていたら、下をくつろげたライジンの下半身に聳え立つモノを見て心臓が凍りついた。
「ら…ら…ライジン、そ…それ、なっな……」
「なんだ?お前にも付いているだろう」
結婚相手を選ぶのだから、ある程度こういう関係になるのは覚悟していた。
しかし目の前に見えるモノは、男ならお馴染みのアレの形ではなかった。
カリの部分が異常なくらい張っていて、刺さったら最後、抜けないモリのようだった。
「違う!全然違う!そんな怖い形していない!」
「……張り出しているコレの事が?俺はオールドブラッドが入っているからな。他の種を掻き出すことに優れた形になっている。大丈夫だ、メスはコレで擦られたら痛みよりも快感で気が狂いそうになるらしい」
子供にも分かるように……、子供に説明するはずはないが、ご丁寧に説明してくれた。お陰でもっと恐ろしくなった。
「ひっ…し…死ぬ…絶対死んじゃう…」
俺の怯えっぷりが嬉しかったのか、ライジンは上機嫌でニヤつきながら俺の後ろにもはや巨木にしか見えないアレをぐりぐりと押し込んできた。
「がっ…!!ぐはっ…、やっ…やばいって!!しし死ぬ!!」
「はっ、これで死ぬわけないだろう。……思った通りだ。お前の孔は俺の形によく合っているぞ。あぁ…ほら、もうほとんど入った」
俺が怖がるからか一応遠慮がちにゆっくりと挿れてきたライジンだったが、最後の一押しは体重をかけて貫いてきた。
「んあああああ!!ばっ…!あぅくくくっ…いきなり挿れるなぁぁ」
予想通り、あの張り出したカリの部分がかなり尻の奥で存在感を放っている。腸壁を押し上げて掻き出すように動くので、それがたまらない快感だった。強く突き入れられたのに、全く痛みはなかった。
「なんだ?そんなにいいのか?締め付けてきて……」
「いいい……よよ…よくない、しぬ……あっ…あっ…死んじゃう…でばぁ!!あっんあああ」
正直なところ気持ち良すぎて意識が飛びそうだ。ライジンは力任せに責めてきそうなのに、実に巧みに強弱をつけてくる。時々、奥に突き入れてぐりぐり円を描くように動かされるのがたまらない。例のカリの部分が俺のいいところをこれでもかと擦ってくるので、涙と涎を垂らしながら死ぬ死ぬと叫んでいた。
「はぁ…保健医……」
ライジンも赤くなった顔で熱い息を吐いている。どうやら感じているらしいが、こんな時までその呼び方をされると顔に水をかけられている気分になる。
「ば…ばか、その……呼びか…た…やめろ」
「名前がいいのか?」
「あぁっ、な…な…なまえぇ…んっあっ…しぬぅ…あんっあっ…くっ…ぁ」
「アリアス…アリアス…」
ずっと呼ばなかったくせに呼び出したら気に入ったらしく、ライジンはしつこく耳元で俺の呼びながら腰を打ちつけてきた。
名前を呼ぶ度に、ヤツのちんこがぐんとデカくなる気がして、そんな変化も快感に思えてきてしまった。
「アリアス…いくぞ」
限界に近いらしいライジンが繋がったまま俺を持ち上げた。俺を持ち上げたまま動かすという馬鹿力しかできないありえない体位に驚きながらも、不安定さからもたらされる恐怖がまた快感になり、俺はライジンに掴まり揺らされながらその状態でイってしまった。
「あ…あああ、出ちゃったぁ…ライジン…出たよぉ……」
「アリアス……出すぞ……」
俺の一番奥まで自身を深く沈めて、熱くて濃い息を吐きながらライジンは達した。
ライジンの顔は快感に染まっていた。このデカい体が震えているのもまたいい。
俺は自分が満たされるのを感じていた。デカい猛獣を俺が支配しているような征服欲。そんなものが俺にあったらしい。
俺は持ち上げられたままライジンの精を受け続けていた。彼もまたオスの本能で射精が長く、しかも俺の中でビクビクと揺れながらずっとイっているので、どんどん気持ちよくなってしまい、俺のモノはまた反応し始めた。
この体位だと後ろで飲みきれないものが下にボタボタと溢れていくので、なんとも恥ずかしい気持ちが湧いてくる。
「ライジン…あの…長いのは分かるけど…いつ終わるんだ?」
「……ああ、もう…終わらせることはできる。ただ……もうちょっといいか?」
「コントロールできるのかよ……。ちなみに……出そうと思えばどれくらいイケるんだ?」
「訓練は必要だが、一時間くらいはできる」
「いっ…!!いちっ!!ひぇぇ…!やめろよ!絶対無理だから!破裂して死ぬ!」
恐るべしオールドブラッドの威力に俺の体に戦慄が走った。
青くなって怯える俺を見て、ライジンは柔らかく笑ってキスをしてきた。
どう見ても恐ろしい光景だ。そういえばライジンが男らしく笑うところは見たが、こんな風に優しい微笑みをするのは見た事がなかった。
ライジンが見せた僅かな変化に、俺の胸は妙な熱さを覚えてトクンと違う音で鳴った。
訳が分からなくて、とにかく早くこの巨体から解放されたいと願っているが、妙な熱さは不思議と不快ではなく、俺の中にすっと落ちていった。
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