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貴方と別れて、1人で歩く帰り道。
貴方との会話を思い出して、どこか懐かしい気持ちになった。
それは…
昔、母が私に話してくれたこと。
父も貴方と同じで、少し言葉が足りなくて、母に告白した時も「僕の傍にいてくれませんか?」しか言わず、母は告白されてるのか、今そばに居て欲しいのかわからなかったと笑いながら話してくれた。
いつもだったら悲しくなるから、両親の事は思い出さないようにしていたけど、その日は悲しい気持ちはなく、懐かしくて幸せな気持ちだけだった。
改めて告白されてから、ちゃんと恋人として、水族館、動物園、遊園地、貴方の家に遊びに行くこと、貴方と2人で、私が今まで出来なかったことを沢山してきた。貴方は、どんなに忙しくても、必ず私との時間を作って、2人でいるその時間を大切にしてくれた。不幸という名の鎖に縛られていた私の手を引き、美しい景色を見せてくれた。
貴方といることで、私は不幸という言葉も死神という言葉も忘れ、普通の人として、貴方の彼女として生きていくことができた。
幸せの陰に隠れた、不幸に気づくことなく……
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