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何気無く行った三ヶ月振りの飲み会。侑奈に連れられたのは貸し切りのダーツバー。
個性的なピンクや水色のネオンライトが映えるフロアーは同世代の男女でいっぱいだ。
「あ、常葉さんだ」
「きゃー!初めて間近で見た!感動〜」
「目ぇでか!顔ちっちゃ!肌綺麗すぎぃ」
「ありがとうございます」
お望み通りの自分を演じて、暫くパンダ気分を味わった後、やっと解放されたあたしはカウンターで飲んでいると侑奈がツン、と、肘でつついた。
「あの人」
侑奈が指差す先に居るのはここ最近聞かされていた"一色さん"だろう、見た目ワイルドな男子がいる。
奥のソファーに座り何人もの女の子と騒いでるし、言っちゃなんだがチャラそう。
「良い感じになったら抜けるかも。良い?」
「その時はあたしも帰るよ」
「楓花って淡白だよね。彼氏作んないの?」
「作んないというか、めんどい」
「やっぱ許婚いるんでしょ」
「いないから、それただの噂だから」
グラスの中に浮くミントを突き、聞き飽きた話を耳で受け流した。
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