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「いねつか……?」
「言葉遊びですよ。と言っても、私も気付いたのは何度か読み返してからでしたけど」
手紙を読んだ時、美月氏は更に戸惑った。夫の死と同じタイミングで連絡が途切れたという。それからすぐに名前の意味にも気付けば、次に来るのは、不審と不安だった。
美月氏と違い、金秋氏は仕事柄メールなども使いこなし、彼への連絡に手紙が使われることはまずなかった。
存在自体が異質なもの。言葉遣いから、相手が書き慣れてないこともよくわかる。
そうまでして慣れない手段で、名を変えてまで連絡を取り合おうとするこの娘は、一体誰なのか。
頭の中には、すでに予感はあったという。
だが確信は持てない。人に相談出来るようなことでもない。ともすれば、身内の恥になりかねない。
彼女は筆を取った。
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