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『新影流ホスト剣術最終奥義・ゴールデンボンバー』
それは、ツケを踏み倒そうとするような、図太くそしてがめついクソババアやクサレブス共を滅するために編み出された、我らホストの最終奥義だ。
この手のクソババアやクサレブスは、往々にして異様なまでに生命力が強い。
ツケで散々ホストクラブで遊んでおきながら、溜りに溜った数千億円単位の料金を取り立てようとすると、そんなもの払える訳がないと開き直ってくる。
風呂に沈めようにも、クソババアやクサレブスなので、引き取る店などある訳も無い。
その制裁として首を刎ねたとしても、翌日には元通りに再生し、変わらぬ態度で平然とホストクラブに顔を出す。
首を刎ねられたのを良いことに、ツケがあることを忘れたふりをして開き直ることすらある始末だ。
真っ二つに両断したとしても、プラナリアのようにそれぞれが欠損部位を再生させ、翌日には二匹に増殖してホストクラブを訪れたりもする。
三十二匹まで増殖した個体も存在したと言われている。
硫酸のプールに放り込んだこともある。
確かに体の表面は融解し、奴らに苦痛を与えることは出来た。
しかし、ダメージを与えられるのは表面だけだ。
硫酸のプールに放り込んでから半日ほどが経過したら動かなくなったため、やっと息絶えたかと思って硫酸のプールから引き上げたら即座に再生を開始し、十分後には完全に元に戻ったこともあった。
そんなクソババアやクサレブス共に対し、風呂に沈めるとか、痛い目に遭わすぞとか、事と次第によってはブッ殺すぞなどといった「脅し」の手段が事実上存在しないことは、ツケの回収を著しく困難にするものだった。
ツケを回収できない担当ホストの末路、それは悲惨そのものだ。
良くてヨイトマケ、普通だと例の地下帝国、或いは希望の名を冠した旅客船行きとなる。
そして、最悪の場合だと、アフリカのダイヤモンド鉱山に奴隷として売り飛ばされ、地下数万メートルの坑道にて、残りの一生を穴掘りモグラのようにして過ごす羽目ともなりかねないのだ。
『新影流ホスト剣術最終奥義・ゴールデンボンバー』
それは、我々ホストに厄をもたらす忌まわしきクソババアやクサレブス共への抑止力たるものとして産み出された。
生命力が旺盛なクソババアやクサレブス共を確実に葬り去るためには、再生の暇を与えないほど、その肉体を瞬間的且つ大規模に破壊しなくてはならない。そして、それと同時に、再生を阻害するための処置も講じなければならないのだ。
『新影流ホスト剣術最終奥義・ゴールデンボンバー』
それは、音速を超える神速の斬撃を繰り出すことによって、相手の肉体を完膚無きまでに破壊し尽くす技なのだ。
斬撃が音速を超えた場合、それは衝撃波を生じさせる。
超音速で振り下ろされた刃がクソババアやクサレブスの爛れた肉体を紙のように切り裂き、それに続く衝撃波が、その肉体を細胞レベルまで粉砕するのだ。
そして、音速を超えた刃は、空気との間の空力加熱により、その温度を著しく高める。
往々にして、その温度は一万度を超える。
衝撃波により細胞レベルに粉砕されたクソババアやクサレブスの無残なる肉体、それを一万度を超える刃から放たれた灼熱の炎が、細胞の一片たりとも残さずに灼き尽くすのだ。
DNAの欠片すら残さずに灼き尽くすのだ。
クソババアやクサレブス共の再生能力が如何に高くても、その醜い肉体を細胞レベルまで粉砕され、そして灼き尽くされてしまっては、最早、再生も容易ではない。
奴らの灰を集めて高密度コンクリートにて封印し、そして、ケルマディック海溝に投棄することで、再生スピードを著しく遅らせることが可能となるのだ。
『新影流ホスト剣術最終奥義・ゴールデンボンバー』
この技が編み出され、そして、その威力が知れ渡ってからというもの、クソババアやクサレブスのツケ踏み倒し発生数は一挙に減ったと言われている。
まさに我々ホストの救世主と言えよう。
然れど、その技を放つには、
大きな代償もまた、必然的に発生するのだ。
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