新たな…

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新たな…

目を開けると、私は樹海に立っていた。 ―失敗したの?! 上を向くと太い木の枝に私だと思われる人がぶら下がっていた。 どういうことか理解が追いつかず、さらに近くでぶら下がった私だと思われる人を確認しようとした。 ―動けない。 何度動こうとしても、何かに足が固定されているかのように、立っている場所から一歩も移動できなかった。 何とか心を落ち着かせ、改めて見える範囲で、ぶら下がった私だと思われる人の確認をした。 服装、靴、地面に放置されたバッグ、そこから放り出された財布、すべて見覚えのあるものだった。 ―やはりこれは私の身体だ。 この事実に私は青ざめた。 懸念していたリスクが現実のものとなってしまったのだ。 霊になって、しかも私は思考している。 これで思考から解放されるとすがすがしい気持ちだった死の間際から奈落に落とされたような絶望だった。 死に終えた私はもう死ぬ方法はわからない。 この地面にしばりつけられたまま動けもせず、このただ静かな空間で解放されたかった自我と付き合っていかねばならない。 それは永遠なのかもしれない。 ―死は解放なんかじゃない。 悔やんでも悔やんでも、後悔は先に立たず。 この現実を受け入れるしかないのだ。 完
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