彼との出会い

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 少し書き込みをすれば、100倍にしてみんなから返事が書き込まれる。  そしてリーダーと名乗った方はそんなチャットで顔文字を巧みに使う面白そうな人、なのにいざ個別のメッセージを受けてみると、とてつもなく丁寧で冷静な方なんだろうなぁと、文字だけではあるけれど改めて驚いた。 ーーーー初めまして。突然の参加なのに温かく出迎えてくださり、ありがとうございます。  緊張しながらお返事を打つ。こんなので大丈夫かな。 「大倉信司さん……へぇ、凄い! 色々ノミネートされるくらいの腕前なんだ」  チャットに記載されている個々の名前をクリックできるようなので、押してみると、 そこから簡単な自己紹介のページへ移動する仕組みになっていて、リーダーと名乗った大倉さんは何作品か投稿サイトで選ばれたり、短編集になっていると書かれていた。  改めてご挨拶をしてくださる方々の名前を順番にクリックしていくと、なんとビックリ、実は大物な方々だったり、押絵専門家だったり、とにかくすごい人達ばかりだということが分かり、場違いだったなぁと今更ながらに後悔していた。 ーーーーいえいえ、こちらこそ、ご新規さんを心待ちにしておりました。大歓迎ですよ。とても賑やかなところですが、その分活動も盛んですので、どんどん参加してくださいね。 ーーーーありがとうございます。よろしくお願いします。 ーーーーこちらこそ!  そして大倉さんは、何事も無かったかのように個別メッセージを終え、みんなの会話に紛れ込んだ。  私はと言うと、次々に書き込まれる質問に必死に答え続け、気付けば日付も変わっていた。  そうして私は “夢カタリバルーム” の一員になれた。 ※※※※※※
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