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「……うーん? 僕らは何の為に……、
この島で暮らす事を、強いられているのだろう?? 何か理由があるのかな?」
謎は深まるばかり。食事は美味しいが、
これも誰かが、空から食料品を落としてくれたものを調理した物だろうかと? 食事ながら考えた。
「新人? そんなに考え込まない方が良いぞ。
時間もたっぷりあることだから、島をゆっくり案内してやるから、来いよ」
「何もない島だけど、私達も最初はそうだったから、心配しないで下さいね」
賑やかに歓迎してくれる彼らは、自分が不安な事を察してか、言葉をかけてくれる。
「ハイ、ありがとうございます!!」
あれから……、食事を食べ終えると、これから自分が暮らす島に案内された。島の人の言う通り……、特に、何もなさそうだった。
何もなさそうだったというよりも、島の中心には、近づけない建物が、ポツンと建てられているのが見える。
それが何なのか、わからないのもあるが……。
草木が多く森の奥に進もうにも……、刃物のような物で、切って行かないと、そこには辿り着けない。
対して困ることもないので、島全体の中心から島を確かめられない手つかずの状態。
勿論、刃物も没収されてしまうので、そこまで辿り着くにはめんどくさい状況。
まぁ、切り傷など関係ないと言う者が、一人……その謎の建物に向かっていた。
「此処の人達は、いい人らだけど、ずっとこの島に暮らしていて、嫌じゃないのかな? 島の謎を知りたくないのかな。脱出したいとか思ったりもしない感じ……だよなぁ。記憶もない感じだから仕方ないか」
手首には軽く傷だらけで、血の痕を身体に付けながら、草木の多い茂る緑を抜けて、建物へと向かう。歩いて歩いて、素足なので、チクチクと足の裏が痛むが気にせず進んだ。
数分後、そこまで困難じゃなかった建物に到着した4219だった。
「この建物?? 結構まだ新しい??」
不思議そうに建物を見上げる。まだ新しい感じで、そこまで古い建物じゃ無さそう。
けれど、建物の入り口の扉前で、入るか入らないか、少し立ち往生している。
『4219。4219。の認識を確認しました。これより、施設内に入ることを許可します』
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