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機械の音声が建物内に響き渡る事など、4219は知らない。
鍵も何も持ってないので、この建物には、入れないかなと思っていたが、此処でも歓迎されるように、扉のゲートが開いた。
「……入って良いって事だよね」
恐る恐る……、建物の入り口に足を踏み入れると、明かりの点いてない暗い建物。
中に入ったら入ったで、自分が入ってきた出口が閉められた。
ビクッと少し驚いたが、落ち着いて呼吸をして、歩きだした。此処に何があるのだろうかな? と、興味津々で乗り込んだ。
「……??」
建物内を見ると、部屋の中心に、フワフワと浮かぶ浮遊型のタブレットが置かれていた。というよりかは、その場に、設置されるように、浮かんでいた。
軽く……、そのタブレットの液晶に、触れようと指を近づかせて、今にも、ちょんちょんと触れようとしていたが……、
既にタッチする前に、手を少しかざしただけで、タブレットがスキャンし、認識したのか……簡単にプログラムが起動し出した。
『4219。4219。おめでとうございます。
見事貴方は、プレイヤーに登録されました。
これより、4219は、キャラクターセレクトのプレイヤーとしての準備を始めます』
勝手に起動し始めた機械は、建物の部屋が明るくなると、天井のタイルの一つが開くと、しゅるしゅると長いコードみたいな物が現れる。
そのコードが、4219に近付くと、
何かの青白い光をピピピッと音をたてて、4219の身体全体を監察するように、光を点滅させていた。
「な、何? コレ……? プレイヤーって何? どういう事?」
動揺するように、自分に向けられる光を少し眩しそうに、眼をパチパチさせていた。何が何だか? わからない。分からない内に、機械の音声は4219のデータを淡々と答えた。
『体温正常。呼吸も正常……、人体の損傷も擦り傷程度で生命の危険度は低い上で以上なし。接種条件は100%の内、82%……で、接種可能。
及び、“変異細胞007”を投与します』
天井からまた同じように、色がついたコードが何本か降りてくると、4219を囲むように手の形の触手のコードは、4219を簡単にガシッと掴まえた。
右左の腕、左右足首を掴まえられて、身動きできなくなった。両腕を大きく肩幅ほどの位置に拡げられ、掴まれた足首は、ゆっくりと太腿を大の字で、開かされた。
「……ちょっ、やめ、や……め」
流石に何されるか分からない恐怖に焦った4219は、暴れるように身体を揺らし、身体に巻き付いたコードを離そうとするが簡単には離れそうにない。
『実験台4219に、変異細胞007を投与します。安全のため身体を固定します』
プログラムは、指定された4219の腕に接種するための注射針を用意した。
ゆっくりと近付く触手の手の形のコード。万事休す。
「……そんな危ないもの……、したくないに決まってるよっ!!」
大人しくされてさまるかっ! と、身体が動けないのなら、それを利用してくるくると身体を回転をして、身体にコードを巻き付けると、鞭のように注射針に向けてパチンッと弾いた。
『…………』
案の定、注射針は弾かれて、見るからに、怪しそうな薬からの、危機は一時的に回避した。
これで此処から逃げ出して、島の人らに伝えないとっと、考えながら辺りを見回した。出口への扉の解除ボタンはないのかと言う思いだ。
だが、しかし……、不幸なことに……注射針は、タブレットを突き刺し、その接種しようとした液体が溢れていた。
バチバチと火花が上がり……、
『システムエラーシステムエラー危険危険修正を修正4219に4219』をと、不具合が標示されて……。
【“バグ”】が発生した。
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