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「…………っ……」
あれから……、密の蜜を弄られまさぐられ、よく分からない快感を体験した。顔を赤く火照り、息を肩から吸うように呼吸をしてる。
力なく無理矢理堕落した身体。身動きが出来ない状態で、未だに、シュコシュコと胸を4219は、吸われていた。
『完了完了完了完了完了。4219の接種が完了しました。
【“002のプログラムのデータ”】を、
4219のプログラムのデータに上書き保存します』
どうやら、やっと終了したようだった。
4219としては、初めての体験でもうこんな体験したくはないとは思いつつ、少し歯痒い気持ち。この感情は何だろうと頭を悩ませる。
『人体の為に、安定剤を投与します』
色々考えている4219。大人しく打たれてる。
首に打たれて、しゅるしゅると身体が最初の人形の姿に戻った……のだろうか? という疑問が少し残るが、戻った。
『安定剤を投与終了しました。
これより、“002”は、EGGハウスに、転送します。お疲れ様でした。002。コールドスリープモードに入ります』
巻き付いたりしていたコードが数本4219から離れていき、ゆらゆらとUFOキャッチャーみたいに、揺らされながら運ばれて、転送装置の椅子のような機械に優しく設置される。クッション製のある柔らかい物だ。
転送しますと機械音声が軽く響く。冷たい冷気を吹き掛けられると、自然と眠りへと誘われる。淡い光を帯び、プログラム分解を少しずつされて4219は、何処かへ消えたのだった。
『002のコールドスリープモードを解除します』
ある場所へ転送して、移動したのだろうと思われる。4219を改め、“002”と認識して喚ぶアナウンスの機械音声。
「………んっ……」
プシューっと白い煙と共に、卵形の機械の容器の扉が開く。4219は、重い瞼をゆっくりと覚まして目覚める。
「此所は……??」
不思議そうに、辺りを見回して、此所は何処なのだろうと首を傾げてボーッとした様子で、卵形の容器から出てくると、段差で容器から落ちた。
「いてて……っ……転けちゃった」
何処かで見たような光景。痛そうに身体を擦りながら立ち上がると、此所は何処だろうとキョロキョロとしていた。
「そういえば……僕は…いや、私は……いや俺?……自分自身の事が思い出せない」
頭をかかえて何か大事なことを忘れてるような気がすると、記憶がない4219。
潮の香りがする。最初にみた広い青い海に白い砂浜だ。
「あ、あそこに煙が上がってる!! 人が居るって事かな?」
森の方から、モクモクと煙が上がっているのを見て、自分は一人じゃないと純粋に安心したように走り出す。4219は、ループしているような状況に、気づいてないみたいだ。
そして、最初に出会った人達のように、ワイワイと楽しそうに飲み食いをしていた。ただ……、4219は、踏みとどまった。
此所の人達から話を聞いて、興味範囲で建物に乗り込んだ事を思い出した訳じゃないが……、このままだと、そういう流れになると、直感的に思ったのだ。
「……なんか嫌な予感がする」
独り言を呟くと、それを合図かのように、音楽が流れた。此所は、最初の時とは違うルートだ。これは、選択しを変えたからなのだろうか?
『只今より、指定の人数の数を満たしたので、それ以外のプログラムのデータを消去します』
アナウンスが聴こえる。
そして、空から何かが降ってきた。
「あれは……何だろ?」
丸い光るボール型の機械が無数に、しゅぅーっと音を立てて落ちてきた。
地面にそのボールが落ちると……跡形もなく、辺り一面光の爆発で跡形もなく……島ごとキラキラと光の彼方へ消えた。
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