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これを証に
僕らは外に出た。時間はそんなにたっていないような気がしたのに時間を確
認する夕方五時を過ぎていた。
「今回はおまえのおかげだカイ。礼を言うぞ。お礼にこれを受け取って欲し
い。」
ファタは頭に乗っている金色のティアラを僕に差し出した。
「こんな立派なものもらえないよ。」
「カイ、陛下の言っていることを断るなど言語道断。陛下がカイに差し上げる
と言っているのだ。素直に受け取れ。」
「では、遠慮なく。ありがたく頂戴いたします。」
ファタから貰ってティアラを右手の薬指にはめた。ちょうどいい大きさの指輪
になった。
「カイ、それでだな。例のシリアルと言う奴を皆にも食べさせたいのだが。」
「もちろん。道案内さえしてくれれば僕が持って行くよ。」
「本当か。恩に着るぞ。カイ。」
ファタの目が輝いている。
「ファタさえよければ毎年夏に僕がシリアルを持ってきてあげるよ。」
「本当に、本当か?」
「本当だってば。ファタ、手出して。」
「何で?」不思議そうな顔をする。
「いいから、いいから。日本でするおまじない。
指切りげんまん嘘ついたら針千本飲ーます指切った。」
僕はこれから毎年、夏に君に会いに行くよ。よき隣人としてね。
参考文献】
ハリー・ポッターの魔法世界ガイド
アラン・ゾラ・クロンゼック&エリザベス・クロンゼック
和繭桃子訳
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