妖精との出会い

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妖精との出会い

スーパーで買い物を終え、帰宅すると門に真ん中に虫が捕まっている大きな クモの巣が出来ていた僕はああ、またかと思い、ほうきでクモの巣を取ろうと すると、「助けなさい。」と声が聞こえたような気がした。気のせいかなと思い、 ほうきでクモの巣を掃除しようとすると「そこの人間、私を助けなさい。」と声 が聞こえる。恐る恐る見てみると引っ掛かっているのは虫ではなく、十センチ メートルくらいでモンシロチョウのような白い羽が付いている生き物だった。 銀髪黒目で銀色布のようなものをまとっていて指輪みたいな小さなティアラを 頭に載せている。これは妖精なのか・・・? 「妖精・・・?」 「妖精に決まっている。それより人間、早く私を助けなさい。」 思っていたことが口に出た上に、妖精に聞こえていたようだ。妖精を落とさな いように気をつけながらクモの巣をかたづける。妖精が飛べるようにクモの糸 を一本、一本取っていく。 ちまちまと糸を取ること十分、妖精はようやく飛べるようになった。僕は未 だ目のまで起きていることが信じられない。 「そこの人間、礼を言う。助かった。」 「信じられない・・・。これは現実?」 嘘ではない。」 そう言って、妖精は僕の肩の上に乗った。 「見えるし、聞こえるし、触れる。これは紛れもなく現実。信じよ。人間。」 「わかった。信じる。さっきから人間、人間って言ってるけど僕だってちゃん とした名前があるんだから。」 「ほおー、それは悪かったな。名前は何というのだ?」 一ミリも悪いと思っていないような言い方だ。それにこの妖精顔立ちはいいが よくよく見ると少し目がつり上がっている。 「カイ、宮野カイ。カイって呼んでよ。」 「私の名前はファイと言う。森の奥にある国で女王をしている。」 「ファイは何でクモの巣に引っ掛かってたの?」 「それを話すと長くなるのだが。」 「庭にずっといるわけにはいかないし、僕の部屋に行こう。」
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