妖精との出会い

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「ごめん。そういえばファタはご飯何食べるの?」 「普段は木の実などを食べているが。」 「カイ、ご飯だよ。」 一階からばあちゃんの声が聞こえる。そういえば僕もご飯をまだ食べていなか った。 「グラノーラでいいかな?」 「なによそれは?」 「大麦や小麦にナッツやドライフルーツを入れたものかな?」 「それでいい。」 そう言いつつもファタの目が輝いている。普段木の実くらいしか食べていない ので他の食べ物に興味津々なのだろう。夜ご飯をサラダにフィッシュ&チップ ス。それは太るわけだ。お腹すいてないからと言って量を減らして貰った。 「明日、一日出かけるよ。」 「出かけるのはいいが、村の外れにあるゴーストハウスにだけは行ってはいけ ないよ。」 珍しくじいちゃんがしゃべった。じいちゃんは無口な人で普段は本などを読ん で過ごす。めったに口を開かない。ゴーストハウスとは村の外れにあるいつ倒 壊してもおかしくないボロボロの空き家のことだ。一度だけ目の前を通った事 あるが、あの家はなんだかおかしい。上手く言えないけど・・・。 「うん。わかった。じいちゃん。」 夜ご飯を食べ、スーパーで買ったグラノーラを部屋に持って行く。 「遅い。」 屋に入った瞬間ファタに怒られる。 「ごめん。はい、これがグラノーラだよ。」 僕は食べやすいように小さく砕いて渡した。最初は匂いを嗅いだり、疑いの目 で見るなど警戒していたが一口食べ「これはとても美味。」と言って食べ始めた。 よほど気にいったようだ。 「皆にも食べさせたい。」 「じゃあ、それあげるよ。僕はまた買えばいい話だし。」 「カイは本当にいい奴だな。」 さてと、明日は大変だな。早く寝よう。そう思い、僕はさっさとシャワーを浴 びる。結局ファイはドールハウスのベッドで寝ている。大きさはぴったりだ。 「おやすみ、ファタ。」 僕もベッドの中に入って眠りについた。疲れていたのかすごく寝付きが良くベ ッドに入って十分もしないうちに眠りにつくことが出来た。
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