想定外の大地震

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想定外の大地震

 2月中旬の週末  今日は小中高一緒のくされ縁の親友の田村里穂とカフェで待ち合わせをしてる。  (久々だな、里穂に会うの年末年始お互い忙しかったからな)っと思いながら、頼んだコーヒーを口に運ぶ。  今日は、里穂が彼氏を紹介してくれる事になっている。  (里穂、GWから付き合い初めてるから、もう半年以上付き合ってんだよね、里穂にしては長続きしてるよね)っと思いながら、時計を見る。  (そろそろ来るかな?年下なんだよね、里穂の彼氏、どんな感じの人なんだろう)っと思ってると、  「いらっしゃいませ。」っと店員さんが言うのを聞き、入り口を見ると、里穂と里穂より背が高い男性が、    「待ち合わせなので。」っと言い、キョロキョロ見ながら、私を見つけ向かって来る。  「美穂、お待たせ」っと里穂が言うと、隣に居た男性が、頭を下げ、  「初めまして、里穂の彼氏の堀江 優輝です」っと挨拶をした。  「初めまして、里穂の親友の佐川 美穂です」っと私も立ち上がり挨拶をする。  里穂と堀江君は私の前に座り、メニューを見初める、それを見て  (なんか、堀江君ってアイドルグループに居るような、可愛い感じの、うーん?麻宮君に少し似てる感じで、確かに里穂のタイプの顔だよね)っとまじまじと見てると、  「なあに、美穂、私の彼氏、まじまじ見て。」っと里穂が、  「だって、いかにも里穂好きそうなタイプだなっと思って」っと返すと、  「ちょっと、美穂、私は優輝を顔だけで好きになった訳じゃないわよ。」っとちょっとムッとして里穂が返す。  「それは、解ってるけど、」っと言うと、何故か堀江君と目が合い、ニコッと笑顔で返された。  (おっと、笑顔もアイドル級だわ)っとちょっとドキッとしてると、  「美穂、今、優輝の笑顔にドキッとしたでしょ?」っと里穂が  「してないよ。」っと反論すると、  「まったく、美穂ったら、美穂の彼氏だってイケメンのくせに、親友の彼氏にドキッっとするなんて、彼氏に言い付けるぞ。」っと里穂が、  「本当にしてないから。」っと慌て言う、  「美穂さんの彼氏ってどんな方何ですか?」っと堀江君が言うのを聞き、里穂に小さな声で、  「里穂、私の彼氏の話してないの?」っと聞き、    「一応、美穂の許可をとってからの方が良いと思って、私も優輝とはまだ半年位だし、もう少し付き合い長くならないと、信用出来ないしね」っと話すのを聞き、  (そうだよね、初対面だし、今日は言わないでおこう)っと思い、堀江君の方を見て、  「えっと、私の彼氏は私より年上で芸能関係の仕事をしてて、堀江君と同じ位素敵な方なんです。」っと言うと、  「へぇー、そうなんだね、いつか会わせて下さいね、美穂さんの彼氏さん。」っと笑顔で言う堀江君に、    (ほぼ毎日、テレビに出てますけど。)っと思いながら  「そうですね、その時は彼氏に言って是非一緒に会わせますね。」っと私も笑顔で返す。  その後、里穂と堀江君は注文したコーヒーを飲みながら、私と里穂の話しや堀江君の幼少の頃の話しをしていると、あっという間に時間は過ぎ、時計を見ると、お昼を過ぎていた、その様子を見ていた里穂が、  「あー、それ、例の彼氏にクリスマスプレゼントに貰った、ペアウオッチだよね、ちょっと見せてよ。」っと言い、前のめりになって里穂が私の時計を見る。  「うん。いいよ、」っと時計をしてた腕を前に出す。  「へぇ、素敵な時計ですね、美穂さんの彼氏さんは良いセンスしてますね」っと堀江君もまじまじ見ながら言う。  「ありがとう。堀江君。」っと照れながら返す。  「確かに、さすが、戸じゃなく、美穂の彼氏だわ、素敵な腕時計、これ高いよね、きっと」っと羨ましそうに言う。  「ちょっと、里穂、圭じゃなく、彼氏に失礼だよ」っと私が言うと、  「でもさ、美穂の彼氏ってなかなか会えない分ちゃんと将来の事考えてるだね、ペアの腕時計をプレゼントするんだから。」っと里穂が言うのを聞き、  「やっぱり、これって、いつか結婚しましょうって言う意味なのかな?」っと私が言うと、  「えっ、まさか、美穂の彼氏、そんな事言って無かったの?」っと驚いた声で里穂が聞く。  「うん。「これからも一緒に同じ時間を過ごそうね」みたいな感じは言ったけど、結婚の2文字は出て来なかったよ。」っと言うと、  「さすが、美穂の彼氏だわ、なんと言うか天然と言うか純粋とか言うか、美穂から聞かなかったの?これって、結婚の意味って」っと少し呆れながら里穂が聞く。  「そんな、私からまるで結婚を要求するみたいな事言えないよ。」っと私が言うと、  「甘いわよ、美穂、今は彼女から結婚を要求する、逆プロポーズだってあるんだから、あの鈍感な彼氏だったら美穂から言わないと」っと前のめりになって熱く私に言う里穂に、隣に居た堀江君が目を丸くして、私達のやり取りを見ていた。  「あのー、里穂、隣の堀江君が驚いた顔で見てますが、」っと遠慮がちに私が言うと、  「あっ、ごめん、優輝、つい熱くなっちゃって、存在忘れてたわけじゃないんだけど」っと隣に居た堀江君に申し訳なさそうに言う里穂に。  「謝らなくて、いいよ、里穂さん。里穂さんは本当に親友の美穂さんが好きなんだね、俺は、そうやって何事にも一生懸命な姿を好きになったんだから」っと笑顔で答える堀江君を見て、  (堀江君って年下ながら、しっかりしてる、里穂って夢中になると周りが見えなくなるタイプで、そうゆう姿に引いてしまう男性も居るのに、やっぱり、一緒に仕事してるからかな?里穂の性格ちゃんと分かって受け止めてるんだな)って思い、堀江君の言葉を嬉しそうに聞く里穂を見て、  「堀江君、里穂宜しくお願いしますね。」っと笑顔で私が言うと、  「はい、ありがとうございます。美穂さん、俺は、ちゃんと自分自身の言葉で里穂さんにプロポーズしますから」っと嬉しそうに言う堀江君に、  「ちょっと、優輝、それはまだ早すぎでしょ」っとバシッっと堀江君の背中を叩き嬉しそうに言う里穂に  (これは、意外と結婚が早いかも)っと2人を見て思い、ふと  (私は、どうだろう?圭介君と結婚出来るのかな?)っと時計を見ながら思った。  一方、戸葉君は、  「スカイハイバトル」の新しい競技の打ち合わせ中  「じゃあ、さっき話しをした感じで練習してみましょうか?」っとスタッフが話しをしてると、  「はーい。」っとメンバー全員が返事をする中、俺は、  「ハックション」っといきなりくしゃみをした。    「戸葉君大丈夫か?風邪か?」っとスタッフが心配そうに俺に声をかける。  「あっ、すみません、大丈夫です。」っと俺は軽く鼻をすすりスタッフに言う。  「そうか、じゃあ、高井君と戸葉君は、そっち側と後の3人は反対側に。」っとスタッフの指示に俺達は移動する。  (何だろう、今のくしゃみ?誰か噂でも、あっ、もしかして、美穂か?今日休みで、確か、里穂ちゃんの彼氏を紹介してもらうって言ってたから、もしかして俺の事言ったのかな?)っと思いながら移動していた俺は、  「じゃあ、始めるぞ」のスタッフの声が聞こえなかったらしく、  「おーい、戸葉君、ボール来てるぞ。」の隣に居た秀ちゃんの声に我に返り、前を見ると、目の前にビニールのボールが、  「うわぁ」っと言い、俺は顔面でボールを受けた。   スカイハイ控え室  「それにしても、戸葉君がボールを顔面で受けるとは、笑えるよ」っと笑いながら沢本君が言う。  「俺も隣に居てびっくりしたよ、沢本君がボール投げてきても何も反応してなかったから」っと秀ちゃんが言う。  「圭ちゃん、顔大丈夫?」っと心配そうに麻宮君が俺の顔を見ながら聞く。  「うん。ビニールだから、何とも無かったけど、このシーン、オンエアで使わないよな?練習だから」っと俺が心配そうに聞く。  「いや、どうだろうな、運動神経抜群の戸葉君が顔面でボールを受けるなんてレアなケースだから、スタッフがこれは使えるって言ってオンエアするかもな」っと嬉しそうに沢本君が言う。  「うわぁー、それだけはやめてくれ、美穂もこの番組観るのに、こんな格好悪い姿見せたくない。」っと俺が言うと、  「大丈夫だよ、圭ちゃん、スカイハイバトルは笑いが売りの番組だから」っと俺の肩をたたき言う。  「麻宮君、それ、真顔で言わないでよ。」っと俺が言うと、  「だいたい、戸葉君が練習中に考え事してたのが悪いんだろう、どうせ美穂ちゃんの事考えてたんでしょ、ほら、確か、来月だったよな、美穂ちゃんの誕生日」っと秀ちゃんが俺が言うと、  「美穂ちゃんって来月誕生日なの?」っと何故かリーダーが言ってきた。  「おい、リーダー、俺の彼女の名前にいきなり反応するなよ。」っと俺がリーダーに面白くなさそうに言う。  「あっ、悪い、つい、ごめんね、戸葉君」っとリーダーが言う。  「へぇ、美穂さん、来月誕生日なんだ、早生まれか、さすが、秀ちゃん、親友の彼女の事も分かってるだな、じゃあ誕生日プレゼント何しようかと考えてたんだな。」っと沢本君が俺を見て言うのを聞き、  「いや、美穂ちゃんの誕生日の事は去年たまたま聞いたんだよな、戸葉君」っと秀ちゃんが俺を見て言うと、  「そう、たまたまな、秀ちゃん、それに俺は公私混同はしないよ、練習とはいえ、スカイハイバトルの大事な新しい競技なんだから(まあ、少しは美穂の事考えたけど)」っと言うと、  「本当に?」っと、沢本君や秀ちゃん、麻宮君、まさかリーダーまでも俺に疑いの目で見ながら聞く。  「本当だよ。」っと強く言いながら、「まっ、少しは考えてたけど」っと小さな声で言うと、  「やっぱり」っと沢本君の呟きが聞こえた。  (それに俺は、美穂の誕生日はもう何するか決めてるし)っと思いながら、バックからスマホと腕時計を出し着けると、  「あれ?圭ちゃん、腕時計変えたの?」っと麻宮君が俺の時計を見て聞く。  「うん。去年のクリスマス、美穂とのペアウオッチを買ってプレゼントしたんだ」っと嬉しそうに俺が言う。  「へぇ、戸葉君やっぱり、美穂さんと将来的には結婚するつもりなんだな。」っと沢本君が言ってきた。  「ん?まぁ、確かに今すぐ、じゃないけど出来たらしたいと思ってるけど。」っと俺が疑問符を付けながら答える。  「まさか、戸葉君、美穂ちゃんには、この時計渡した時に結婚の2文字は言って無いのか?」っと秀ちゃんが聞く。  「そんな事、憶測で言える事じゃないだろう、この先何があるかわからないし、ただ、「これからも同じ時間を一緒に過ごそうね」は言ったけど。」っと俺が言うと、  「うおー、それは、なんかモヤモヤ感が半端ないだけど。」っといきなり秀ちゃんが雄叫びに似た声で言うと、  「圭ちゃん、もしかしてだけど、美穂ちゃんに時計プレゼントした時、何か言おうとしなかった?」っと麻宮君が聞くと、俺はあの日の事を頭の中で思いだしながら、  「あっ、そういえば、美穂、プレゼント受け取った時、何故か躊躇して、何か言いかけたような?」っと俺が言うと、  「はぁー、やっぱり、戸葉君は女心が分からないな、確かに結婚っと言う2文字は安易に口にする事じゃないが、でも少なからず、時計をプレゼントした時点でその意思があるって事なんだから、ちゃんと美穂さんに、今すぐじゃないけど、いつかはあるっと言うのを伝えるべきだと思うぞ、多分美穂さんは、きっといつかはちゃんと言ってくれると思って言わなかったんだから、」っと沢本君が言うのを聞き、  「そうなのかな?俺そこまで深い意味でプレゼントした訳じゃないけど。」っと戸惑いながら言うと、  「でも、戸葉君は、美穂ちゃんの事が好きなんだから、なかなか会えないんだし、きちんとそうゆう事は、伝えた方が安心すると思うよ。なんなら俺が代返しとこうか?」っとリーダーが言うのを聞き、  「そうだな、来月の誕生日の時でもって何でリーダーが俺の気持ち代返するんだよ、おかしいんだろう、それ?」っと俺はリーダーに詰め寄ると、  「だってさぁ、もう少し暖かくなったら美穂ちゃんと那珂湊港で釣りしたいと思ってるし、あっ、もちろん戸葉君も一緒にね」っとリーダーが笑顔で言うのを聞き、  「それと、俺の気持ちの代返は別ものだろう」っとまたまた、俺はリーダーに詰め寄る  その様子を見て居た秀ちゃんが、  「なぁ、なんか美穂ちゃんと戸葉君本当に大丈夫かな?戸葉君が恋愛に不器用なのは、分かるが、こんな危うくて、いつか最悪の事態が起きるじゃないか心配なんだけど」っと秀ちゃんが沢本君や麻宮君に言う。  「秀ちゃん、そうゆう事を言うのは止めてさくれ、俺はそんな事態を想像したくない。」っと沢本君が、    「俺もお通夜状態の控え室だけは、経験したくない」っと麻宮君が、  「だよな、まっ、美穂ちゃんは戸葉君よりしっかりしてるから大丈夫だと思うが」っと秀ちゃんは、まだ、リーダーに絡んでる戸葉君を見て言う。  まさか、その話しが数ヶ月後に現実な事になるなんて、思いもしない3人だった。    そして、3月の中旬  「うーん。」っと何故か目覚まし時計が鳴る前に目が覚め、布団から起き上がる。  (今日はバイト無い休みだから、ゆっくり起きたかったのに)っと思い、目覚まし時計を止め、窓に近づきカーテンを開ける。  (あれ?今日は鳥の声が聞こえない?この時間はうるさい位に雀やカラスが鳴いてるのに)っと思い、窓を開ける。  「うっ、なんか今日肌寒いな、もう3月なのに、なかなか暖かくならない。」っと1人事のように呟くと、下から、  「美穂、起きたなら朝ご飯出来てるから下りて来なさい」っとお母さんの声が、  「はーい。」っとまだ眠たそうに答える。  下に降り台所に居るお母さんに、  「おはよう」っと言うと、  「おはよう、美穂、早く起きたのね、今日はバイト休みだからゆっくり起きると思ったのに。」っとお母さんが、  「うん。なんか目が覚めちゃって、ねぇ、お母さん今日寒く無い?」っと私が聞く  「そうね、さっき、テレビで天気予報観たら、東北は雪が降るかもって言ってたから寒いのかもね。」っとお母さんが返す  「そっか、東北で雪なら、こっちも寒いかもね、顔洗ってくる。」っと言い、洗面所に行く。  (なんか、今日は朝から空気が変な感じがする気がするけど、気のせいかな、新年度始まって疲れ溜まってるのかな?)っと思いながら、私は、朝食を済ませ、片付けをして、2階の自分の部屋に戻る。  (今日は、録画した、スカイハイバトル観ようっと圭介君の話しだと、新しい競技が入ったみたいだし、楽しみだな)っと思い、コーヒーを飲みながら、部屋のテレビを付け、スカイハイバトルを観てると、  (ん?圭介君ったら、練習中にこんな事が)っと笑いを堪えながら、  (後で感想LINEしよう)っと思い楽しくスカイハイバトルを観た。  一方、同じの日の午後。  スカイハイのメンバーと撮影と打ち合わせを終え、控え室に戻る途中  「いや、終わった。今日はこれで仕事終わりだ」っと俺は歩きながら言う。  「俺も今日は終わりだよ、圭ちゃん」っと右隣の麻宮君が言う。  俺は、ズボンのポケットに入れてたスマホを取り出し、マナーモードを解除しようと見たら、LINEが入っていた。  (あっ、美穂だ)っと思い、嬉しそうにLINEを見ると、後ろから、  「なあに、戸葉君、そのLINEもしかして」っと秀ちゃんが覗きこんだ     「うん、美穂から、スカイハイバトル録画したの観たって、俺の事、笑えたって送ってきたよ」っと俺が言うと、  「しっかり、スタッフあの場面、本番に使ったよな、視聴者もなかなか好評だったらしいよ、戸葉君」っと前に居た沢本君が面白そうに言う。  「俺は、物凄く恥ずかしかったよ」っと俺が返す。  「今日、美穂ちゃん、お休みだったんだね、確か今月誕生日だったんだよね、戸葉君?」っと俺の左隣に居たリーダーが聞く。  「うん、今月は新年度前で、時間取れなくて、誕生日に逢えなかったけど、来週辺り時間取れそうだってマネージャー言ってたからその時に誕生日祝おうっと思って」っと俺が言うと、  「なあ、戸葉君、美穂ちゃんに今電話して良いか聞いてよ。」っと秀ちゃんが、  「ん?なんで?」っと俺が聞く。  「ほら、美穂ちゃんは、俺推しだし、いつも応援してくれる美穂ちゃんに、誕生日おめでとうって言いたいから。」っと秀ちゃんが言うと、左の隣りに居たリーダーも  「俺も。」っと言い、  「あっ、じゃあ、俺も」っと麻宮君までが、  「まったく、しょうがないな、聞くだけ聞くよ」っと言いLINEを返すと、すぐにOKの返信が来たので、電話をする。  「あっ、もしもし、圭介君、お仕事お疲れ様」っと美穂の声が、  (やっぱり、美穂の声聞くと元気出るな)っと思ってると、何やら後ろと横から視線を感じるので、  「美穂。ごめんな、休み中に。」っとすぐに返す。  「ううん、大丈夫だよ」っと美穂の返事を聞いてると、後ろから秀ちゃんが俺のスマホを取り、  「美穂ちゃん、遅くなったけど、誕生日おめでとう」っと秀ちゃんが言い、  「美穂ちゃん、おめでとう」っとリーダーと麻宮君が言うのを聞き、  「おい、おい、俺の許可なしに勝手に美穂と喋るな」っと俺が言うと、  「相変わらず、戸葉君は心が狭いな」って言いながら沢本君は、俺に近づき、秀ちゃんが持って居た俺のスマホに、  「美穂さん、お誕生日おめでとう」っと、沢本君までが言った。  「あっ、皆さんありがとうございます、あのー、今日一緒にお仕事してたんですね、それで、そのー、圭介君に代わって貰えますか?」っと言うのを聞いた、秀ちゃんが俺にスマホを返す。  「もしもし、美穂、ごめん、驚いたよね、 」っと俺が言うと、  「本当にびっくりしたよ、急に秀ちゃんの声がしたから。」っと驚いた声で美穂が言う  「うん、今日はメンバーと撮影と打ち合わせだったから、丁度終わった時に美穂からLINE来て、何故か美穂にお誕生日おめでとうって言いたいって秀ちゃんが」っと俺は秀ちゃんを見ながら言うと、    「そっか、秀ちゃんに、ありがとうって言ってね、他のメンバーにも嬉しかったよって。」っと美穂が言うのを聞き、  「ああ、美穂わかったよ、ところで美穂今何してたんだ?」っと俺が聞くと、  「うん、今、気分転換にいつもの海に来てたんだけど、なんか海が変なの?」っと不安そうに言う美穂に、  「海が変って?」っと俺が言うと、  「どうしたの?戸葉君、海がどうしたの」ってリーダーが聞いてきた。  「美穂、海がいつもと違うのか?」っと俺が聞き返すと、  「うん、波が妙に静かなの、今の時期だったらもう少し荒れてるはずなんだけど、私の気のせいか、朝からなんか変な感じなんだよね」っと言う美穂に隣で聞いていた、リーダーが、  「うーん?もしかして、何かの気象変化とか地殻変化とかかな?俺、海釣りもするけど、波が変な時は近づくなって書いてあった気がする」っと俺のスマホに答えた。  「だって、美穂、リーダーの声聞こえた?」っと俺が美穂に言う。  「うん。ありがとう悟君、なるべく早く帰る?」っと美穂が不自然に言葉を止めた。  「どうした、美穂?」っと俺が聞く。  「圭介君、なんか、地鳴りが聞こえる気がする。」っと美穂が変な事を言う。   「地鳴り?」っと言いながらメンバーを見るが、皆、首を傾げたり、首を振ったりしていた、っとその時、  ガタガタガタガタっと揺れる音が、  「えっ、何だ?地震か?」っと俺が言うのと同時に、  ブー、ブー、地震です、地震ですっとメンバー全員のスマホに緊急地震速報が鳴ると、強い揺れが俺達を襲った。  「皆、窓から離れて、しゃがめ」っと沢本君の大きな声と同時に、  「キャッ」っと電話の向こうの美穂の悲鳴とともに電話が切れた。  「美穂、どうした、美穂」俺は、必死に呼びかけるが、強い揺れのせいで、身動きが取れない。  しばらくして、揺れが収まり、  「皆、とりあえず、控え室に行こう、テレビあったと思うし。」っとリーダーが言い、足早に俺達は、控え室に向かう。  「ねぇ、秀ちゃん、まだ揺れてる感じがしてる」っと不安そうに麻宮君が言う。    「ああ、そうだねって、おい、麻宮君窓の外を見てみろ」っと秀ちゃんが言うのを聞き、俺も窓の外を見ると、  「うわぁー、ビルが振り子のように揺れてるよ、じゃあ、ここもかな?」っと向かいのビルを見ながら麻宮君が言う。  「たぶんな。」っと秀ちゃんが言う。  控え室に入り、テーブルに置いてあった荷物が下に落ちてたのを拾い、リーダーがテレビを付ける。  「東北で震度8の地震だって」っと珍しく叫ぶようにリーダーが言う。  「まじか、まさか関東じゃなく、東北とは。」っと沢本君がため息まじりに言う。  「皆さん、大丈夫ですか?」っと息を切らし控え室にマネージャーが入ってきた。  「あっ、マネージャー、皆、大丈夫ですよ、ってどうした?戸葉君?」っと秀ちゃんが俺が聞く。  「さっきから電話が繋がらないんだよ、美穂さっき、途中で切れたら心配で。」っと俺はスマホから電話かけようとしようとしてると、  「多分、さっきの強い地震で一時的に電話が使えないんだろう、こうゆう時は、LINEの方が入りやすいと思うからメッセージ入れて見たら」っと秀ちゃんが言う。  「うわぁー、見てこれ、凄い津波だよ。」っと麻宮君が驚いた声でテレビを見て言う。  「本当だ、美穂、今海の近くに居るのに、心配だよ」っと俺が不安そうに言うのを聞き  「大丈夫ですよ、戸葉君、佐川さんは、海近くに住んでるので、強い地震の時の対処は分かってるはずです。今頃、防災無線が流れて高台に避難してますよ。」っとマネージャーが俺に言う。  「そうだと良いけど」っとLINEを送ったスマホを見ながら言うと、  コンコンっとノックの音がした。  「はい。」っとマネージャーがドアを開ける。  「スカイハイの皆さん大丈夫ですか?」っと先ほど打ち合わせをしていた、スタッフが顔を出した。  「はい。大丈夫です。」っと全員で返事をする。  「それでですね、今スマホや携帯の電話が使えない状態みたいで、ですが、私供の固定電話なら使えるみたいなので、もし家族の安否を確認したいなら使っても良いですけど。」っとスタッフが言うのを聞き、  「どうする?」っと秀ゃんが皆の方を見ながら聞く。  「それと、マネージャーさん、今後のスケジュールですが、」っとスタッフがマネージャーと話しをしてるのを横で見ながら、俺はずっとスマホ見ていると、  「俺、実家に電話したい。」っと麻宮君が言うのを聞き、  「じゃあ、皆で行くか。すみませんが電話借ります」っと沢本君がスタッフに言う。  「分かりました。じゃあ、こちらで。」っとスタッフが言い、皆で控え室を出た。  (美穂、無事で居てくれ)っと俺は、不安な思いで皆と一緒に歩いた。    一方、美穂は。  「びっくりした。何?この強い地震」っと急な地震にしゃがみながら言うと、  ピンポーンパンポーン  「こちらは、防災無線です。只今、強い地震がありました、海岸近くに居る方は至急に高台に避難して下さい。繰り返します。只今東北地方で強い地震があり、津波が発生しました。至急高台に避難して下さい」っと海岸近くのスピーカーが流れるのを聞き、  (東北地方での地震だったんだ、高台に行かないと、あっ、車のキーは差しておかない)っと思い、私は、駐車場上の緊急避難所へと足早に向かう。  途中、バックに入れた携帯から何か聞こえた気がしたが、気にせず高台へと向かった。  高台の緊急避難所に行くと、海岸に居た何人かの人が心配そうに海を見ていた。    すると、1人の人が、  「おい、あれ、見ろよ。」声を上げた。  それは私も見た事の無い、白波を立てた波が向かっては流れ、又高い波がきて台風の時よりも荒々しい波の姿だった。  「なんか、怖い」っと誰か1人の女性の声が聞こえた。  幸いな事に海より高い所にあった駐車場には波は来なかった。  「菜穂」っと誰かが女性を呼ぶ声が、    「あなた」っとさっきの女性が男性に駆け寄る。  「無事で良かった。さあ、帰ろう」っと一緒に帰って行く姿を後ろで見てると、  「お父さん。」っと誰かが言い、又1人帰っていった。  その様子を羨ましそうに見ていた私に、メールの音が、見るとお母さんからのショートメールだった。  「美穂、無事?連絡して。」っとメッセージが、私も急いでメールを返す。  「私は、無事です。今から車で帰るから。」っと返信すると、LINEが入ってるのに気づく、あっ、さっきのLINEの音だったんだっと思い見ると、圭介君だった。  「美穂、大丈夫か?俺達メンバーは無事だから心配するな、美穂、無事なら連絡して欲しい。」っと言う、LINE何故かに胸を締め付けられ、思わずしゃがみこんでしまった。  そんな私に  「あのー、大丈夫ですか?気分悪いんですか?」っと見知らぬ女性が声を掛けた。  「あっ、いえ、大丈夫です、ただ、なんかあんな荒々しい波を見たのは初めてで、なんか怖くて、」っと私が言うと、  「そうですよね、私もここに住んで長いですが、荒々しい波は台風以外無いですからね、自然って怖いですよね、」っと言うのを聞いてると、グラッと又揺れてる気がした。  「あっ、余震?今揺れた?」っと私が言うと、  「確かに少し揺れましたね、あのー、もし良かったら、ここから私の家近いので休んで行きますか?」っと心配そうに私を見ながら言う女性に、  「いえ、大丈夫です。家で両親が待ってますから、車で帰れます。」っと立ち上がり言うと、  「そうですか、又津波が来るかもしれませんから気をつけて帰ってくださいね」っと女性が言うのを聞き、  「ありがとうございます」っと女性に向かってお辞儀をして、駐車場へと歩いた。  (とは、言ったものも、運転出来るかな?まだ心臓が安定しない)っと車に乗り、圭介君にLINEを返す。  「圭介君、美穂です。私は無事ですが、海の波が見た事の無いように荒々しくとても怖かったです。圭介君に逢いたいです。今から気をつけて家に帰ります。」っとLINEを打ち送る  (ちゃんと届くと良いけど)っと思い、ハァーっと大きなため息をつき、運転席のハンドルに顔を沈めた。  (ちゃんと、運転出来るかな?) 再び、戸葉君の方、  「あっ、俺だよ、おふくろ、おやじ、地震大丈夫だったか?」っと俺が順番の最後に実家へと電話を掛けた。  「大丈夫だったけど、部屋がめちゃくちゃで片付けが大変よ、あっ、真由美も大丈夫だったってさっき、電話きたよ、あっ、美穂ちゃんは、無事?」っとおふくろのいつもの声に安堵しながら、美穂の事を聞かれ、LINEを見ると、  「ああ、美穂も無事みたい、今LINE確認した。」っと返すと、  「それは、良かったけど、圭介なんか元気なく無い?本当に大丈夫なの?」っとおふくろが聞く。  「ああ、大丈夫だよ、又連絡するから、おやじと姉ちゃんにも伝えておいて。」っと言う。  「うん。じゃあ、圭介、余震に気をつけて」っとおふくろが言うのを聞き、俺は電話を切ると、    「美穂ちゃんからLINEきたの?圭ちゃん。」っと隣に居た麻宮君が聞く。  「うん。無事だってLINEきたよ。」っと俺が言うのを聞いてた秀ちゃんが、  「それにしても、声暗いけど、どうした?」っと俺の顔を見て聞く。  「美穂、波が荒々しくて怖かったって、俺に逢いたいって言って、美穂、付き合ってから一度も自分から俺に逢いたいなんて言わないで、いつも俺の仕事を優先して逢ってたのに、こんな事言うなんて、今美穂がどんな気持ちで居るか考えたら、なんて返事して良いか分からなくて」っと俺は、うつむいて声を震わせ言うと、  「今は、ありきたりの言葉しか掛けられない、だけど、美穂さんは、無事だったんだから、必ず逢えるんだから、その思いをしっかり伝えれば良いと思う、それが彼氏の戸葉君が出来る事だ」っと沢本君が俺に言う。  「沢本君、今日は、俺に優しい」っと俺が目を潤ませ言うと、  「俺は、いつだって戸葉君に優しいよ、読者が誤解するような事言うなよ。」っと沢本君が言うと、  「そうだよね、篤君は、圭ちゃん好きだもんね」っと麻宮君が沢本君に言うと、  「まぁ、そうだな、その不器用な所嫌いじゃないし。」っと少し照れながら沢本君が言うのを聞き、  「俺も篤のそうゆう所嫌いじゃないよ」っと俺は沢本君に言うと、  「いきなり、名前で呼んで引っ付くな。」っと沢本君が言う。  「戸葉君、美穂ちゃんは、ちゃんと分かってくれると思うから今出来る事をしっかり伝えろ」っと俺の肩に手を置き秀ちゃんが言う。  「うん、ありがとう、秀ちゃん、沢本君、麻宮君」っと俺が言うと、  「大丈夫だよ、戸葉君、少し地震落ち着けば逢いに行けると思うよ。」っとリーダーが言うと、  「そう、簡単には、いかないみたいですよ、今の東京の状態は最悪ですから。」っといつの間にか近くに居たマネージャーが言う  「えっ?どうゆう事、マネージャー?」っと俺が聞く。  「一回、皆さん、控え室に戻って、テレビを見れば分かります。」っと言うマネージャーの言葉に従い、控え室に戻りテレビを見て、言葉を失った。  「佐川さんに逢いに行くどころか、今日スカイハイの皆さんが帰れるかも分からないですよね、これでは。」っとマネージャーが言うのを聞き、俺達はテレビの画面を呆然と見ていた。  再び、美穂の方  私は、ハンドルから頭を上げ、  (そろそろ落ちついたから、帰ろう)っとエンジンをかけようと、車のキーに手をかけると、  「美穂姉ー。」っと  聞き覚えのある声が私に向かって来る。  運転席の窓を開け見ると、  「純平君何で?ここに?」っと疑問に思いながら見る。    純平君は、里穂の双子の弟の1人て私が初恋の相手みたいで未だに私の事が好きみたい  「美穂姉、無事か?」っと自転車で息を切らしながら私に言う。  「うん。無事だけど、何でここに?今日仕事だよね?」っとまだ?マークをつけながら純平君に聞く。  「仕事だったけど、地震の後一回停電になってすぐに回復したけど、今日はとりあえず帰って家族の安否確認しろって言われて帰って、それから美穂姉の家に行ったら、おばさんがまだ帰って無いって言って心配になって来たんだよ」っと少し足早に説明する純平君に、  「そうなんだ、心配かけてごめんね、今から帰る所だったんだけど、」っと私が言うと  「どうした?美穂姉、顔色良くないな、地震酔いしたか、運転俺がしようか、このマウンテンバイク折りたたみだから、美穂姉の車に入るし」っと心配そうに純平君が言う。  「ううん。大丈夫だよ。(なんで、圭介君じゃなく、純平君がここに居るんだろう?) 」っと泣きたい気持ちを抑え純平君に言う。  「美穂姉?あっ、そういえば圭介兄ちゃんは無事か?」っと純平君が聞く。  圭介兄ちゃんとは、圭介君の事で私の彼氏だから俺にとって兄ちゃんだからっと初対面で図々しく言ったのである。  「うん。圭介君もスカイハイのメンバーも一緒に仕事してたから無事みたいだよ」っと私が答えると、  「そうか、良かったって言っても今東京は大変な事になってるから良く無いか」っと純平君が言う。  「えっ?大変な事って」っと私が驚いて聞く。  「あー、美穂姉、車のラジオつけて見れば分かるよ。」っと純平君が言うのを聞き、車のラジオをつけると、  「えっ?何?帰宅困難者が駅に溢れてるって」っと私が言うと、  「ああ、俺もさっき、ラジオ聞いてたんだが、何でもあの強い地震で電車が止まったみたいで、これから夕方にかけて帰宅ラッシュで、もう駅には、タクシーや振替のバスにも列が出来て、道路も車が動かないみたいだから、圭介兄ちゃん達も家になかなか帰れないんじゃないのかな」っと純平君が心配そうに言うのを聞き、  「東京も今大変なんだね、茨城と東京って近いって思っていたのに、こんな時は物凄く遠く感じるよ」っと寂しそうに俯きながら私が言うと、  「美穂姉」っと呟き、私は見て純平君が、  「だから、俺と付き合えって言っただろう、俺だったら、美穂姉が辛い時、寂しい時一番に駆けつけて、側に居てあげられる、俺は美穂姉に寂しい思いをさせない。」っと強く言う純平君に、  「純平君」っと顔を上げ、純平君を見て、首を横に振る。  「ごめん、純平君、私」っと言おうと思ったら、  「ストップ、その続きは言うな、どうせ弟としか思えない、だろう?2回も聞けば充分だ」っと面白くなさそうに純平君が言い、  「だから、美穂姉、その運転席の窓を全開にして、顔出せ」っと続けて言う純平君に、  「えっ?」っと言いながら、運転席の窓を開けて顔を出すと、純平君が近づき、  ムギューっと私の顔の両頬を思いっきり引っ張った。  「痛いー、何するのよ、純平君、酷いじゃないのよ、急に。」っと私が頬を擦りながら怒鳴ると、  「はぁ?酷いのはどっちだ美穂姉、仮にも好意を持ってる男の前で、弱音吐くなんて、お前は悪女か?」っと怖い顔で私に言う純平君に、  「あっ、ごめん、別にそんなつもりじゃないんだけど、」っと申し訳なさそうに言う私に、  「まったく、今辛い思いをしてるのは、美穂姉だけじゃねぇだろう、少しは目覚ませ、俺は弱ってる女性を口説いて自分の物にするような卑怯な事はしない。俺は正々堂々、圭介兄ちゃんと向き合う」っとドヤ顔で言う純平君に、  「クスッ、そうだよね、私だけじゃないんだよね、ありがとう純平君」っと少し笑い純平君に言う。  「世話の焼ける姉ちゃんだな、どうだ少しは俺の事男らしいっと思ったか?」っと誇らしそうに言う純平君に、  「うーん?」っと私が首傾げて答えようとしてると、見回りに来た男の方が  「そこの2人、今日は、これから又津波が来る恐れがあるので、駐車場を閉鎖しますので、速やかに移動をお願いします。」っと私と純平君に言うのを聞き、  「あっ、すみません、今移動します」っと私が言い、  「じゃあ、美穂姉、俺先に美穂姉家に行って、おばさんに美穂姉が帰って来るのを伝えておくから、こっちの道路は混んではいないが、気をつけて焦らずに安全運転で帰って来いよ」っと自転車にまたがり言う純平君に、  「うん、ありがとう純平君。」っと返すと、  「おう、じゃあ、又な、美穂姉」っと自転車を走らせる純平君を見て、私もエンジンをかけ、車を走らせ、駐車場を後にした。  途中、車の中で聞いていた、ラジオは、東北の海岸沿いで大津波が来て、甚大の被害が出てる事と東京の事が繰り返し伝えられ、声だけでも、この地震の凄さが分かったが、家に帰り、テレビを見て、もっとこの地震が大地震だった事を目で見て辛い現実を知る事になる。    忘れないで いつでも 僕はここにいる  誰も知らない 物語は続く  全てを懸けて 守るものがある  確かなその思いを 貫いて      
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