プロローグ-メンバーと初対面後編-

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プロローグ-メンバーと初対面後編-

 圭介君と付き合い始めて1年が経った11月の今日、メンバーと初対面と食事会が都内の和食のお店で始まり、メンバーや私の前には、注文した食事が置かれ「頂きます」っと全員が言い、皆がそれぞれの料理を食べ初めた。  私は、正座になり、1つ、1つ、丁寧にご飯やお椀の蓋を開けていくっと隣に居る、リーダーの川野君がお椀の蓋に苦戦してたので、小声で、  「川野君、お椀の蓋捻って開けると開けやすいよ」っと声をかけると、早速実践する川野君。    「あっ、開いたよ、ありがとう美穂ちゃん」っと嬉しそうに言う川野君。  「うん」っと私も返す。  私は、お椀を丁寧に持ち、お味噌汁を飲み初めると、前に居る麻宮君が、  「美穂ちゃんって、最初から見てると、1つ1つの作業が綺麗だよね、俺なんか蓋なんか雑に置いてるし」っと言われ、  「私、おじいちゃんに厳しく躾られていて、礼儀作法も教えられてたから、あっ、でも料理は楽しく食べるものだから、全然自分流で大丈夫だよ」っと慌てて答えると、   「へぇー、美穂ちゃんっておじいちゃんっ子だったんだね、確かに俺もじいちゃん家行った時は、厳しく色々言われたな」っと私から右斜め前に居た秀ちゃんが言う。  「そう、そう、俺も秀ちゃん家のおじいちゃん家に行った時に広い家で走り回ってたら怒られた記憶があるな」っと隣の圭介君が懐かしそうに言う。  「でも、礼儀作法がしっかりしてた方が女性らしくて良いと思うよ」っと私を見て爽やかな笑顔で言う秀ちゃんに  「あ、ありがとう」っと推しメンの秀ちゃんに言われた事に照れながら言うと、隣に居る圭介君が、少し面白くなさそうに、とんでも無い事を口にした。  「なぁ、美穂、俺さぁ、たまに、こういうちょっと高級な和食屋さんに行くと、いつも思うんだけど、何で、このお箸先がどっちも尖ってるの?」っとお箸を見ながら言う圭介君に、  「えっ!」っと驚いた声を私が出すのと同時にメンバー全員が驚いた声を上げた。  「圭ちゃん、何の冗談なの」っと麻宮君が呆れながら聞き、  「俺、びっくりして、ごはんが箸から落ちたよ」っと秀ちゃんが、  「さすがの俺もそんな常識な事知っているよ」っと川野君が言うと、  「えっ?これって常識な事なの?」っと箸を見ながら言う圭介君に、  「戸葉君が常識に疎いのは、知ってたけど、ここまでとは、呆れて言葉が出ないよ、ちゃんと礼儀作法正しい彼女の佐川さんに1から教えてもらえ」っと呆れながら、初めて私の方を見て沢本君が言う。  (えっと、私が圭介君に教えて良いのかな?)っと思い、  前に居る麻宮君と秀ちゃんの方を見ると、  「どうぞ」って感じで首を縦に振り、横に居る川野君も見ると、  「美穂ちゃん、代表して、戸葉君に教えてあげて」っと言ったので、私は圭介君の方の見て、  「あのね、圭介君、このお箸は、利休箸とも言って格式高い箸で料亭とかに使われる事が多くて、自分が食べる部分と、取り箸って言って相手の料理を頂く時に礼儀として、自分の口を付けた箸の反対から使うから先がどちらも尖ってるんだけど、でも身近にも使われる時もあって、お正月の時にこういう箸使わない?」って聞くと、  「いや、俺の実家では、お正月は普通の割りばしだけど、あっ、前に雑煮食った箸でおせち食べようとしたら、おふくろに「そこに箸があるでしょ」っと怒られたけど、そういう事か」っと納得したように言うと、  「戸葉君のお母さんって言うだけで肝心な事は教えないよな」って秀ちゃんが言い、  「そう、そう、俺のおふくろって何でも見て覚えろって言う事あるからな」っと圭介君が返す。  「本当にワイルドなお母さんだよな、戸葉君家に美穂ちゃん連れて行ったら、「こんな礼儀正しいお嬢さん、圭介にはもったいないわ」って言うんじゃないかな?」っと秀ちゃんが言う。  「確かに、俺の家族は、けっこうワイルドな所あるからな、美穂はびっくりするかもな」っと私を見て言う圭介君に  (どんなお母さんなんだろう?)不安混じりに思ってると、  (今、美穂ちゃんの手首から例のブレスレットがチラッと見えた、後でじっくり見せて貰おう)っと麻宮君は美穂ちゃんを見ながらニコニコしながら思っていた。  (なんか、麻宮君、ニコニコしながら見てる?何か良からぬ事考えて無いよね)っと思って、ご飯を食べ初めた  「美穂ちゃん、このお魚美味しいよ、食べてみない?」っと隣の川野君が言うので、  「えっ、良いの?じゃあ、一口だけ」っと箸を逆にして、川野君のお魚を頂く。  その様子を見てた、沢本君が  「ああいう風に使うんだよ、戸葉君、せっかく躾がしっかりしてる彼女なんだから、良い機会だから1から礼儀作法教えて貰えば」っと言うと、  「まあ、美穂に手取り足取り教えて貰うのは、悪くないよな」っと私を見ながらニヤニヤしながら言う圭介君に、  「じゃあ、礼儀作法の基本の正座から教えるね、圭介君」っと笑顔で返すと、  「うわぁ、俺正座苦手なんだよ、5分以上は無理なんだから」っと圭介君が言う  「圭ちゃん、5分以上は無理って苦手過ぎだから」っと麻宮君が言い  「俺、正座得意だよ、今もしてるし」っと川野君が言うので、見てみると、確かに正座してた。  「珍しいなリーダーが正座して、飯食べるの」っと秀ちゃんが言う。  「うん、だって美穂ちゃんがしてたから俺も今日は礼儀正しく、俺、習字習ってたから特に畳だとあぐらよりも正座の方がいいんだよね」っと川野君が言う。   「へぇー、川野君って習字習ってたんだんだね」っと私が言うと、  「うん、小学校の時少しね」っと嬉しそうに言うと、  「リーダーは、スカイハイの中では、字が綺麗だもんな」っと圭介君が言う。  圭介君の非常識な話しから場は和み、意外にもリラックスしながら、美味しく昼ご飯を食べた。  「いや、やっとお腹いっぱいになったな」っと圭介君はお腹をさすりながら言う。  しばらくして、昼ご飯セットのコーヒーが来て、皆でコーヒーを飲み初めると、  「さて。」っと1人事に呟き、私の方を見た沢本君。  「佐川さん、遠回しに聞くの嫌いだから単刀直入に聞いて言いかな?」っと聞く沢本君に、  「はい。」っと言いながら、内心何を聞かれるかドキドキしていた。  「じゃあ、佐川さん。何で戸葉君と付き合ってるの?」っと沢本君が聞く  「えっ?」木元さんと同じ事を聞かれ、やっぱりっと思いながら少し驚いた。  (ちなみに木元さんとは、スカイハイのマネージャー兼運転手で前回の前編で、戸葉君の事でお話ししています。)  「佐川さんは、礼儀作法正しいし、普通だけど、笑顔も素敵だし、何も戸葉君みたいなアイドルやってる人じゃなくても彼氏出来そうだけど。」っと沢本君が言う  (あれ?普通だけど笑顔が素敵って一応誉め言葉かな)っと思い、  ちらっと、隣の圭介君を見ると、普通にコーヒーを飲んでいた。  (前回、木元さんと会った話しをした時に私の気持ちを圭介君に話したら、「美穂の気持ち本当に嬉しいよ、だからメンバーに会ってもし同じ事や色々聞かれても、俺は何も言わないよ、美穂を信じてるから、今言ったありのままの気持ちをメンバーに伝えて欲しい」っと言われて、本当に今日は圭介君は何も口出ししないな)っと回想してると、  「佐川さん?」っと沢本君が  「あっ、ごめんなさい。えっと、前回木元さんと会った時もほぼ同じ事を聞いてきたんだけど、私は、圭介君が好きだから付き合ってるだけで、さっき秀ちゃんが少し聞いてきた時に話ししたけど、同じ心の病だけど、どちらかと言うと共有に近くて、私は、クリニックに通ってた事は言いたく無い過去だったけど、圭介君は「話してくれてありがとう」っと言ってくれて、その時は気づいて無かったけど、その優しさや真っ直ぐな心に惹かれてたんだと思う、普通の恋人同士みたいに頻繁に会ったり公には出来なくても、圭介君が私が居て頑張れるなら側に居たいし、私も頑張ってる圭介を見て頑張れるから、圭介君がどんな職業でも私には関係無い、戸葉圭介君が好きだから付き合ってる他に理由なんて無いよ。」っと言葉を選びながら、きっぱりと沢本君の方を見て言うと、少し周りに居たメンバーの静かの沈黙の後に、  「はぁー。」っと大きなため息をつく沢本君。  「参ったなぁー、見かけによらず、こんなに芯の強い娘とは思わなかったよ、さすが、河村さんが紹介した女性だな」っと沢本君が、  「えっ?何で河村さんの紹介って知ってるの?」っと私が聞くと、  「俺が前にマネージャーに言った事があるんだよ、だから知ってるだろう」っと隣に居た圭介君が言う。  「そうなんだね」っと納得したように私が言うと、  「でも、俺は、美穂ちゃんにご飯前に質問した時から今まで会った女性とは違う感じがしたけど」っと麻宮君が言う。    「うん、うん、」っと隣の秀ちゃんが頷くのを見て、ずっと気になってた事を沢本君に聞く。  「あのー、沢本君、木元さんとお話しした時に、過去に圭介君のお付き合いしてる方に会いに行った心配症の2人って秀ちゃんと沢本君なの?」って秀ちゃんの方と沢本君を交互に見て聞くと、  「えー、美穂、俺その話し聞いて無いよ。」っと圭介君が私に向かって言う。  「だって、その話しをしたら、答え言うだろうから、私は直接その2人から聞きたかったから」っと圭介君に言うと  「えー、だからって」って少しごねてる圭介君を秀ちゃんが見て、  「クスックスッ、そんな事でケンカするなよ、お二人さん。そうだよ、美穂ちゃん、俺と沢本君が戸葉君の元彼女さんに会いに行ったんだよな、沢本君」っと秀ちゃんが笑いながら沢本君に言う。  「ああ、そうだよ、佐川さんは、お付き合いしてるから、解るだろうけど、戸葉君はお人好しな所あって直ぐ疑いもせず付き合うから確かに俺らは誰と付き合っても関係無いんだが一応会って話しをするつもりで行くんだけど」っと沢本君が言う。    「だけど、いざ会うと、スカイハイのメンバーと仲良くなりたいだとか、戸葉君の仲を利用して上に上がりたいとか頭悪い女ばっかりで、ちゃんと戸葉君を見てる娘が居なくてさ、ただ1人だけかな」っと秀ちゃんが沢本君の方を見て言うのを聞き、  (秀ちゃんって意外と口悪いんだな)って私が思ってると、  「そうだな、彼女は違ったな、佐川さんも最近見てるかもしれないな、テレビに何回も出てるし、スラッシュの」っと沢本君が言うのを遮り私が、  「アリサさん?」っと聞くと、  「ああ、なんだ知ってたんだな。」っと沢本君が言うと、  「俺が教えた、美穂に隠し事はしたくないからな」っと圭介君が言う。  「そうか、でもその彼女とも浮気が原因で別れたんだよな、戸葉君」っと沢本君が圭介君に向かって言う  (浮気が原因って私の元カレと一緒なんだ、でも私の方が酷いけど)っと思いながら圭介君の方を見る。  「ああ、そうだよ」っと面白くなさそうに圭介君が答える。  「でも、佐川さんは、その娘とも違う、本当に戸葉君の事とは想って言葉を選びながら俺達に自分の今の想いをしっかり真っ直ぐ伝えてくれていた、合格だよ、佐川さん、いや、美穂さん」っと初めて笑顔で私に言う沢本君に、  (やばい、笑顔が素敵過ぎます、沢本君)っと思いながら  「あっ、ありがとう沢本君」っと少し照れながら返す私を隣で見ていた圭介君は、  (沢本君、その営業スマイルで美穂を惑わせるな)っと思って沢本君の方を見ていた。  「ねぇ、美穂ちゃん、さっきから気になってたんだけど、その手首のブレスレットって圭ちゃんとのお揃いのだよね」っと麻宮君が私の手首を見て聞く。    「うん。そうだよ。」っと皮のブレスレットを見せて言う   「圭ちゃんも今日してるの?」っと今度は圭介君の方を見て聞く  「ああ、今日はしてるよっと」っと圭介君は左手首を見せる     「ちょっと、間近で見せて、圭ちゃんと美穂ちゃん」っと麻宮君は前のめりになって見てきた  (なんか、恥ずかしいな)っと思って手首を前に出すと  「麻宮君、なんで、お揃いのブレスレットの事知ってるんだ?」っと沢本君が聞いてきた。  「うん?だって前に圭ちゃんに注文した商品が届いた時にスマホの画面見せてくれてね、圭ちゃんが嬉しそうに「これ彼女とお揃いのブレスレットなんだ」っと言ってて、間近で見てみたいっと思ってたけど、皮ってやっぱりいいね、味があって素敵だね、それにお互いのイニシャルがあって、なんか側に居る感あるよね、美穂ちゃん」っとブレスレットを見ながら言う麻宮君に、  「うん、凄く気にいってるよ」っと笑顔で麻宮君に返すと、  「俺は、絶対に彼女とそうゆう物は持てないな」っと1人事のように呟く沢本君に、  「そうだよな、沢本君は、硬派だから絶対彼女とお揃いの物は持てないよな、まっ、俺は逆で彼女が嫌がるから無理だな。」っと秀ちゃんが言う。  「俺は、彼女が望むなら持っても良いけど。」っと川野君がボソッと言うのを聞き、  「俺も悟君と同じだよ。圭ちゃんは、本当に美穂ちゃんの事が好きなんだね」っと麻宮君が圭介君に向かって言う。   「当たり前だろ、麻宮君、俺は、美穂の事が好きだよ」っと真っ直ぐ答える圭介君に、  (メンバーの前で新ためて言われると恥ずかしい)っと思ってると、     「だから、今日は俺は、皆が美穂に無茶苦茶な質問しても何も言わなかった、まっ、ちょっと秀ちゃんは俺の事酷く言い過ぎだったけど」っと秀ちゃんの方を見て言う。  「わりぃ、わりぃ、まっ、本音だけど本音じゃないから俺と戸葉君の仲だから解るだろう」っと秀ちゃんが軽く笑いながら言う。  「そうだけど、俺は、美穂がそんな質問にも美穂らしく答えてくれて、美穂と出逢えて、側に居てくれて、嬉しいよ」っと私に向かって言ってくれて、  「圭介君」っと感激して何も言えなくなっていた、その様子を前で見ていた沢本君が、  「あー、なんかこの空間だけ暑いんだけど、冷房かけて良いか」っと嫌み混じりに沢本君がエアコンのスイッチを探し初めると、  「だめだよ、篤君、寒くなるよ」っと麻宮君が静止する。  「あのさ、沢本君と秀ちゃん、あの約束忘れて無いよな」っと沢本君と秀ちゃんを見て圭介君が言う。  (あの約束??)っと私は?マークを付けて思ってると、    「あー、あの約束、覚えてたのかよ、戸葉君記憶力良すぎだよ」っとだるそうに言う沢本君に、  「戸葉君は記憶力だけは良いからな、まっ、しょうがない約束だし」っと秀ちゃんは沢本君の隣に行き、正座をした。    「戸葉君、今まで黙って元カノの所に会いに行ったりして、すみませんでした」っと沢本君も正座をして、秀ちゃんと一緒に頭を下げた。    私は何の事か解らず?マークをしながら不思議そうにその様子を見てると、圭介君が、  「前に沢本君と秀ちゃんが無断で俺の元カノに会いに行っては勝手に話しをしてきた事に怒ってね、俺が本気で好きになった娘が出来たら、土下座して2人ともその事謝れよって約束したんだよ」って沢本君や秀ちゃんの方を見て言う。  「でも、それって圭介君が心配で会いに行ってるんだよね」っと私が言うと、  「そうだとしても、俺に無断は無いだろうって話しだろう」っと圭介君が、  そのやり取りを元の場所に戻って座っていた秀ちゃんが、  「美穂ちゃん、良いんだよ、俺だって無断で勝手に会いに行って話しすれば気分良く無いのは、分かるし、それでも俺も沢本君も戸葉君の事がどうしても心配で、少しおせっかい焼きすぎとは思ってはいたけど。これで戸葉君の気が済むならな、その位何でも無いよな、沢本君も」っと沢本君の方を見て聞く。  「まあな、確かにやり過ぎとは思ったけど、まあ、誤解の無いように言うが、俺達が会いに行って話しをしたせいで、戸葉君が振られた訳じゃないからな、あれは相手が悪い」っと圭介君が沢本君に言う。  「分かってるよ、沢本君や秀ちゃんの言いたい事は、俺が女性の見る目が無かっただけだし、でも沢本君が今日美穂の事認めてくれたからそれでは充分だよ」っと沢本君の方を見て言う圭介君に、  (沢本君と圭介君って仲が悪いって噂があったけど、そうじゃないんだ、沢本君は、きっとメンバーの誰より圭介君の事が心配で、でも、それが伝わりづらいだけなんだ)っと2人のやり取りを見て思ってると、   「あー、なんかトイレ行きたくなった」っと隣に居た、川野君が急に大声で、  「どうしたの?悟君に急に大きな声で」っと驚いたように麻宮君が、  「ねぇ、麻宮君もトイレ行かない?」っと麻宮君の目を見て川野君が、  何かを察したかのように、麻宮君が  「あー、そうだ、俺も行きたかったんだ、秀ちゃんと沢本君は?」っと2人を見て聞くと、    「あー、俺もだ」っと秀ちゃんが、    「そういえば、何か質問終わったら緊張解けてトイレ行きたくなった気が」っと沢本君が、  「ちょっと、何だよ、皆して、急にトイレ」って慌てて圭介君が、  「だって急に行きたくなったんだもん、行こう麻宮君」っと川野君が立ち上がり、部屋を出ようとすると、  「うん、行こう、悟君、圭ちゃんはお留守番だよ」っと川野君の後に歩く麻宮君が圭介君に言う。  「えっ、俺お留守番なの?」っと圭介君が、  「そうだろう、だって男5人でトイレ行ったら、満員だよ、美穂さん、戸葉君の事見張ってて下さいね」っと沢本君が私に言いながら部屋を出る。  「あっ、はい」っと返事すると、    「じゃあ、行って来ますね、美穂ちゃん」っと秀ちゃんも部屋を出る。  急に静かになった部屋の中、圭介君と2人きりに、  「何なんだよ、急に皆して、気利かせたのか」っと不満そうに圭介君が言う。  「そうみたいだね、なんか、一気に緊張解けたよ」っと背伸びをすると、  「ごめんな、美穂、メンバーが色々聞いて、最後の方なんか、俺達のやり取りで嫌な思いしなかったか?」っと私を見て圭介君が聞く。  「ううん、大丈夫だよ、色々聞かれるのは、想定してたし、嫌な思いはしてないよ、むしろスカイハイのメンバーの仲良さがこんな間近に見れて良かったよ」っと笑顔で答えると、  「美穂、ありがとう」っと抱きしめる圭介君。    「うん」っと圭介君の背中に手を回す。  「美穂が俺の彼女として、メンバーに認めて貰えて嬉しいよ、これからも宜しくな」っと私の頬に手を当て顔を近づける圭介君に、  「うん、っとちょっと待って圭介君、ここでキスは駄目だよ」っと言うが  「だって、俺今日、まだ美穂とキスして無いもん」っと言い、抵抗する間無くキスをする。   (久しぶりの圭介君とキスやっぱり気持ち良い)っと思いながらも、    「もう、圭介君ったら、こんな所でキスして、メンバーに見られた大変だよ」っと言うと、  「大丈夫だよ、気を利かせたって事は、帰って来るの遅いよって言う事で、俺も休憩」っと言い、私の膝に頭を置く。  「ちょっと、圭介君、こんな所でこんな事したら」っと慌て言うが、知らんぷりして目をつむる圭介君であった。   そして、数分が経過した頃  「ちょっと、戸葉君さぁ、何やってるのこんな所でさ」っと沢本君が、  「うーん、まさか戸葉君が、こんな大胆だったとは」っと秀ちゃんが、  「良いな、圭ちゃん、美穂ちゃんの膝枕、このままキスしないかな」っと麻宮君が、  沢本君、秀ちゃん、麻宮君の3人は、トイレから帰って来たが、入れない雰囲気で襖の前で隙間を開けて覗いてた。  「えっ、何?麻宮君、そんな趣味が?」っと秀ちゃんが驚いて聞く。    「うん?だって人のキスシーンって見ててなんかドキドキして良くない」っと麻宮君が  「いやー、俺は、ちょっとその感じは理解出来ないな」っと秀ちゃんが、  「って言うか、言い出しっぺのリーダーは何処行ったんだよ」っと沢本君は小声で怒る。  「確か、悟君、2階のトイレ一杯だからって1階に行ったはずだけど、遅いね」っと麻宮君が言うと、  「何やってるの、皆入らないでこんな所で」っと川野君が、  「リーダー、やっと帰って来たか」っと沢本君が、  「遅かったな、トイレ混んでたのか?」っと秀ちゃんが聞く。  「ううん、1階に行ったら店員さんからサイン求められたから、応じてたら遅くなったけど、何で皆入らないの?」っと川野君が聞くと、  「圭ちゃんが美穂ちゃんの膝枕しながらイチャイチャしてるから入りづらいの」っと麻宮君が言うと、  「美穂ちゃんの膝枕だと」っと川野君が怒ったような声で、  「ちょっと、リーダー顔怖いどうした」っと沢本君がびっくりしたように聞く。  「許さん」っと言い、襖に手を伸ばし、  「たのもー」っとガラッと大声で開けると、  「うわぁー、びっくりした、道場破りか」っと圭介君が私の膝枕から起き上がる。  「なんだよ、リーダー、行きも帰りも大声出して」っと圭介君が言うと、  「悟君、圭ちゃんが、美穂ちゃんの膝枕してイチャイチャしてたから怒ってるんだよ」っと麻宮君が言うと、  「ま、さ、か、皆見てたの?」っと圭介君が聞くと、  「見たく無くても見せられてたよ、ったく場所考えろ、入りづらいだろ」っと沢本君が  「もう、だから言ったでしょ、圭介君」っと私が  「でも、出来たら美穂ちゃんと圭介君のキスシーンまで見たかったな」っと麻宮君が、  「えっ、麻宮君、そんな趣味が」っと圭介君が引いて言う。  「いいなぁ、美穂ちゃんの膝枕、俺もお願いしたいな」っと隣の川野君が私の膝を見て言うと、  「駄目、美穂の膝枕は、俺専用、リーダーでも駄目」っと圭介君が、  「はぁー、戸葉君、独占欲強い過ぎ、美穂さん、本当に戸葉君で良いの?」っと沢本君が聞く。  「うん、そんな戸葉君でも好きだから」っと私が言うと、  「なんか、困った事があったら俺に言ってな、美穂ちゃん、戸葉君とは長ーい付き合いだから、なんなら苦手な物とかもこっそり教えてやるしな」っと秀ちゃんが、  「うん、ありがとう、秀ちゃん」っと私が言うと、  「美穂ちゃん、これからも圭ちゃんを宜しくね」っと麻宮君が、  「あっ、はい。」っと返す私。  「美穂ちゃん、今度、戸葉君と魚釣りと魚話し付き合ってね」っと川野君が  「うん、魚釣り初心者だから色々教えて下さいね、川野君」っと私が言うと、隣の圭介君が、  「あっ、俺もトイレ行きたくなった、美穂は?」っと立ち上がり圭介君が聞く。  「じゃあ、私も」っと言い、私と圭介君は部屋を出ると、  「行ってらっしゃい」っと川野君と麻宮君が声をかけた。  圭介君は、私がトイレから出るのは、待っていてくれて、2人で部屋に戻ると、メンバーが楽しそうにお話をしていた。  「おっ、お帰り」っと秀ちゃんが声を掛けると、  「さて、そろそろ、お開きにしますか」っと沢本君が、  「それでは、あらためてまして、美穂ちゃん、これからも戸葉君共々、スカイハイを宜しくお願いします」っと川野君が言い、秀ちゃん、麻宮君、沢本君が私の方を見て、軽く頭を下げる。  「あっ、いえ、こちらこそ、どうぞよろしくお願いします(スカイハイメンバー全員に頭下げられるなんて)」っと言いながら思い頭を深々と下げる私。    「じゃあ、マネージャー待ってるから行きますか」っと沢本君が言い  そして、皆で1階に降りると、言ってた通りに木元さんが、レジで精算していた。  「皆さん、お疲れ様です。どうでしたか?有意義な昼食会でしたか?」っと降りて来たメンバーを見て、木元さんが聞く。  「ああ、マネージャーの言う通りの女性だったよ、美穂さんは、なっ、秀ちゃん」っと隣に居た、秀ちゃんの肩に手を置き、沢本君が言う。  「そうだな、美穂ちゃんは、戸葉君の彼女としては、勿体ない位の女性ですよ、ねっ、麻宮君」っと今度は、麻宮君に、  「おい、おい、」っと圭介君が呟く。  「うん、圭ちゃんにしては、本当に良い女性を捕まえたよ、美穂ちゃんは、ねっ、悟君」っと今度は、川野君に、  「おーい、麻宮君どう言う意味だ」っと又圭介君が呟く。  「本当に、良いな戸葉君」っと一言だけ言う川野君。  「皆さんに戸葉君の彼女として、認めて貰えて良かったですね、佐川さんは、皆さんとお話しと昼食会楽しめましたか?」っと今度は、木元さんが私の方を見て聞く、  メンバーの後ろに居た私は、慌てて、  「あっ、はい。もちろんです。メンバーの皆さんと色々とお話し出来て、私が圭介君の事をどう想ってるか伝えられて良かったです、本当に皆さんお忙しい中昼食会開いて頂きありがとうございます」っと改めてメンバーに頭を下げると、  「又、機会があったら俺達とご飯食べ行きましょう、美穂さん」っと沢本君が笑顔で返す。  (あー、又沢本君笑顔が素敵です)っと思い、  「あっ、はい。」っと戸惑いながら返事すると、隣に居た圭介君が、  (だ、か、ら、沢本君その営業スマイルで美穂を惑わすなって)っと沢本君の方をガチ見して思っていた。  果てない空がそこにあるって いま確かな声が聞こえる   消えない思いがここにあるんだ いつだってもう一度  立ち上がろう 力強く  川野君、麻宮君、そして秀ちゃん、沢本君の順で外に出て、その後に圭介君と私が揃って外に出ると、冷たい風が私の髪を撫でて、緊張してた気持ちが一気に解かれた気がした。  私と圭介君以外は、マネージャーの車で帰るみたいで    「皆さん、今日はこの後に家に帰るんですか?」っと私は、車に乗ろうとする、川野君や麻宮君、秀ちゃん、沢本君に聞くと、  「うん、俺は家に帰るよ、麻宮君もだよね」っと川野君が    「うん、俺も今日は明日の為に、帰るよ、またね、美穂ちゃん、圭ちゃん又明日」っと手を上げて、車に乗る麻宮君。  「俺と沢本君も今日は帰るよな、沢本君」っと車に乗ろうとしながら後ろの沢本君に声を掛ける。  「ああ、俺も帰るけど、あれ?今日は、美穂さんは、戸葉君家泊まりか?」っと私と圭介君の方を見て聞いてきた。  「いいえ、今日は、少し圭介君家に行ってから、夜には帰ります、私も明日仕事なので」っと私が返すと、  「そうなんだ、寂しいな戸葉君」っと窓から顔出し、ニヤニヤしながら秀ちゃんが言うと、  「しょうがないだろう、俺達だって明日仕事なんだし」っと残念そうに圭介君が言う。  「だよな、じゃあ、又明日、戸葉君」っと沢本君が言い車に乗る。  「じゃあ、皆又明日」っと圭介君が車に乗ったメンバーに手を上げて言うと、  「それでは、佐川さん、今日は、本当にお疲れ様でした。そして戸葉君、又明日お仕事よろしくお願いします」っとマネージャーが運転席に乗る前に言うと、  「分かったよ、じゃあ、美穂行こう」っと圭介君が言い私の手を握り、裏の駐車場へと歩きだす。  ふと、後ろを振り返ると、メンバーを乗せた木元さんの車が走りだしていた。  (今日は、本当に緊張したけど、有意義な1日だったな)っと思いながら、圭介君と一緒に車に乗り、圭介君の家へと向かった。            
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