ねぇ覚えてる?

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ごめんサトミ、気づかなくて。確かに今の状態って夫婦生活というより共同生活だよな。しかも仕事で疲れてるのはサトミも同じなのに家事押し付けて自分はゲームしてて。 なのに労いの言葉ひとつかけてないよな。この頃はいただきますすら言ってない気がする。 目の下のくま。深酒。 俺のせいだよな。せっかくの美人が台無しだ。 俺、思い出したから。明日のゴミ出しは俺がやるから。帰ってきたら風呂掃除やるから。 ご飯の時はいただきますとご馳走様と、あと美味しいってちゃんと伝えるから。 それから話をする時はきちっとサトミと向き合うから。 それと、ああ一番大切なこと。 これからはサトミが寂しくないように何時でも俺を感じられるように…… 「やだ、起きてたの?」 寝てると思っていただろう俺がいきなり振り返ってぎゅうぎゅう抱きしめるもんだから、サトミがめっちゃパニクってる。 「寂しい思いさせてごめん。これからは隙あらばハグするから。」 「隙あらば、って……それはそれでやだ。」 常夜灯の下、サトミがぷんとふくれて俺を睨みつける。俺はそんな彼女が愛おしくて、ほっぺたにそっとキスを落とした。 [完]
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