ねぇ覚えてる?

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待つこと三分。 返事はない。 おい、またかよ。だけど今はゲームから目が離せない。あと一歩なんだ。あと1ポイント、あと…… 『ミッションクリア。ターゲット確保』 「よっしゃ。」 小さくガッツポーズをとる。 家と会社の往復で他に楽しみのない毎日。気晴らしはゲーム。本当なら帰宅後の妻との会話、とか言いたいところだけど。 結婚して三年。共働きの俺らの会話量は日毎少なくなってきている。 畑違いの職種だからお互い興味が無いというのもあるし、まだ子供もいないから共通の話題がない、というのもある、と思う。 「で、何なんだってば?」 そろそろ寝たい。明日も朝早くからご出勤だ。彼女だって仕事がある。機嫌よくお布団に入ってもらえると助かる。 と、再びサトミを見ると。 くー 「何だよそれ。」 奥さんは缶チューハイ片手にソファに頭を持たせかけておやすみになっている。 仕方ないなぁ。 ゲームの電源を落とし、結露でベタベタになってるサトミの手の中から缶チューハイを取り上げ、代わりに飲み干す。 「また話半端にして寝やがった。」 寝室に運ぶべくそっと首の後ろに腕を回してハッと気づく。 彼女の目の下のくまが……濃い。
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