お誘いの電話

1/1
1人が本棚に入れています
本棚に追加
/5ページ

お誘いの電話

同僚の思惑はわかった。 私に自信を持たせようとしてくれている。 だから、きっと青年の話は最後ハッピーエンドで終わるのだろう。 そう思いながら、話を聞いていた。 同僚は話を続けた。 ブーッブーッブーッ いつも通り最悪の気分で起きた、午後12時。スマートフォンに電話がかかってきた。 相手は青年の友人だった。 友人とはじめて出会ったのは、高校生の時だ。 仲が良くて、大学生になってもよく遊んでいた。 友人が言った。 「今日、テニスしようよ。」 友人からの電話はいつもテニスのお誘いだ。 高校生の時、二人ともテニス部だった。 友人はテニスが上手だ。 青年は友人にテニスで勝ったことは一度もない。 青年は言った。 「いいよ。」 青年がお誘いを断ったことは一度もない。
/5ページ

最初のコメントを投稿しよう!