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お誘いの電話
同僚の思惑はわかった。
私に自信を持たせようとしてくれている。
だから、きっと青年の話は最後ハッピーエンドで終わるのだろう。
そう思いながら、話を聞いていた。
同僚は話を続けた。
ブーッブーッブーッ
いつも通り最悪の気分で起きた、午後12時。スマートフォンに電話がかかってきた。
相手は青年の友人だった。
友人とはじめて出会ったのは、高校生の時だ。
仲が良くて、大学生になってもよく遊んでいた。
友人が言った。
「今日、テニスしようよ。」
友人からの電話はいつもテニスのお誘いだ。
高校生の時、二人ともテニス部だった。
友人はテニスが上手だ。
青年は友人にテニスで勝ったことは一度もない。
青年は言った。
「いいよ。」
青年がお誘いを断ったことは一度もない。
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