カウンタ―・パンデミック

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新型ウイルスによる感染症のパンデミックに苦しむ世界に新たなパンデミックが起こった。 それはもっと大きなパンデミックとなった。 それは感染症のパンデミックに苦しんでいた人々だけでなく、そのパンデミック(感染症)を逃れていた人々にもどんどん広まった。 やがてそれは感染症のパンデミックをはるかにこえる史上最大のパンデミックとなった。 実は、それは人が起こしたパンデミックだった。 それは最初人知れず一部の人の間にだけ少しずつ広まっていたため、当初多くの人が気づかなかった。 多くの人が気づいた時には、それはもう世界中に広まり、その力と勢いを誰も止められなくなっていたのだ。 その結果、新型ウイルスによる感染症のパンデミックは駆逐され、世界は平和になり、世界中みんなが幸せになった。 実はその史上最大のパンデミックというのは、心のパンデミック、愛のパンデミックだった。 それによって、世界中みんながお互いをできるだけ思いやるようになり、できるだけのことをするようになっていたのだ。 それはカウンター・パンデミックと呼ばれた。 それは人類が自発的に起こしたパンデミックだった。 世界中みんなそれぞれ一人一人が、ウイルスにつくか、人類につくかを選び、ウイルスと戦い、ウイルスの手先になったかのようにウイルスを利する連中、ウイルスを利用する腹黒い勢力とも戦い、人類として勝利したのだ。 そのパンデミックはある物語によって広まった。 それはみんなが幸せになれるビジョン、ロードマップを伝えた上で、どうするかを問いかける物語だった。そうなるかどうか、そうするかどうかは、すべてみんな次第、自分次第だと最後に伝え、どうするか、読者に問いかける物語である。 それはFSという物語だった。 FSとは、SFなどと同様に物語のジャンルの名称であり、カテゴリーであるともいえるが、ムーブメントの名前でもあった。 それは、物語プロジェクトの物語、双方向的なプロジェクトになる物語の物語だった。 そういうプロジェクトの物語、あるいは物語プロジェクトを現実にするという物語を現実にする物語である。 物語とそのムーブメントは、戦車の前に立ちふさがった男のようにウイルスのパンデミックの前に現れ、ワクチンのように、そして感染症のワクチンとともに広がった。 それは、物語を現実にする物語だった。 それは、一番大切な共通の原理原則を伝える物語だった。 それは、それをもとにいろいろな物語になる物語だった。一番大切なこと、最低限必要なことだけを伝え、あとは読者に自由に想像してもらったりアレンジしてもらったり新しい物語を創ってもらったりする物語だったのだ。 それは、みんなで一緒に創る物語でもあった。 それは、そうして生まれるいろいろな物語の中から、みんながそれぞれ、自分がいいと思う物語を選んで伝え、広めたり、本当に現実化しようとしたりする物語だった。 それは、そうして最初にそう呼びかけ、みんながいろいろな物語を創り、それを現実化するという物語だった。そうして多種多様に広がりながら現実化される物語だったのだ。 それは、世界中みんなそれぞれがそれぞれのいいと思うこと、できることをするという物語、それぞれの道からそれぞれの方法で、それを現実にすることをめざすという物語だった。 世界中みんなが主役になってがんばって、それを伝え、広め、現実にしようとし、愛のパンデミックを起こそうとすれば世界は変わるという物語で、読者にバトンを渡す物語である。 それは最初、ただのフィクション(Fiction Story)の物語だが、誰か(みんな)がそれを現実にしようとした瞬間、それは戦う物語(Fighting Story)になり、いつかそれが(一つでも)実現すれば、未来の物語(Future Story)になる。 それは、あなたにつづく物語であり、あなたからつづく物語でもあり、あなたから始まる物語にもなる、あなたが主役、すべてみんなが主役の、すべてみんな次第、あなた次第、自分次第の物語だと伝えられていた。 それが現実になるか空想で終わるか、それをただの夢物語で終わらせるか歴史にするか、それが何になるかどうなるか、それをどうするかは、すべてみんな次第、自分次第。 物語はそう伝え、どうするか問いかけていた。 そして、みんながそれに応えてその物語を現実化しようとするようになって、世界は変わり、救われたのだ。 もとの物語とは違うこと、変わったことも多々あったが、物語と同じように、世界は平和になり、世界中みんなが幸せになった。 それはみんながもとの物語の一番大切な原理原則を守りながら、それぞれがそれぞれに合うように解釈、アレンジしながら、現実化したからだった。 もともと伝わってきていた大まかな物語、どういう物語かのコンセプトやヒントだけを伝えていた物語をもとに、自分たちに合う具体的なアイデアや内容を自分たちで考え、内容を変えて現実化したのだ。 実は、その物語は、ある宇宙、世界の歴史を伝えている物語で、他のすべての宇宙、世界が幸せになることを願って、すべての宇宙、世界、いろいろな宇宙、世界、パラレルワールドに伝わっている。 これが、その物語である。 これは、あなたにつづく物語であり、あなたからつづく物語でもあり、あなたから始まる物語にもなる、あなたが主役、すべてみんなが主役の、すべてみんな次第、あなた次第、自分次第の物語だ。 これが現実になるか空想で終わるか、これをただの夢物語で終わらせるか歴史にするか、これが何になるかどうなるか、それをどうするかは、あなた次第、すべてみんな次第、自分次第だ。
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