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Prologue
もしもこの指先が届くなら、ずっとあなたに触れていたい。
例え叶わぬ夢であっても、それだけが私の生きがいなのです。
眠ったままの視界を塞ぐモノクローム。
あの夜の光景が今でも瞼に刻まれたまま離れない。
麻酔の様に感覚を奪うこの雪が心をも凍りつかせる。
欠けた月の様に粉々に砕け散った心の欠片を集めても決して元には戻らない。
失くした欠片は二つだけ。
この世の何よりも大切なあなたと、私の人間としての情念。
錆びついた万華鏡に入れて廻してみれば狂った様に姿を変える。
凍てついた風が吹き止まぬ胸の中で燃え続けるのは復讐の篝火。
青い睡蓮と紅い蓮華。
心も月も星の光も、閉じ込められた世界の中で全て凍りついてしまえばいい。
もしもこの指先が届くなら、今すぐお前たちを皆殺したい。
例え叶わぬ夢であっても、それだけが私の生きがいなのです。
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