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俺はふう、と息をつくと肩の力を抜いた。燃えた感情は、熱い血のように俺の中をまだ駆けめぐっている。それは痛いものではなかった。俺の命と共に、自分を動かす強い情熱だった。
「孤独を感じるならどこにいたって辛いよ。救いなんか来ないよ、でもそれは場所の問題じゃない。天国だろうと地獄だろうとかまうもんか」
俺は顔を上げた。相手から逃げずに見つめ合い、右の手を前に伸ばし、彼に向かって差し出した。
「俺がここにいるよ。あなたの目の前にいるよ。だからあなたは一人ぼっちじゃない。もう、ひとりで思い詰めないで」
ジュリアーノは驚いたように小さく震えた。俺から目をそらしてうつむく。
「カルロ、あなたは強くて真っ直ぐな子です。その眩しさが私には何より辛い」
吐き出すように言われて、俺はきょとんとした。返事が出来ないうちに、彼の独白は止まらない。
「あなたの中にある熱に触れたい。愛に傷つくのがわかってるのに、手放すことが出来ない。いっそあなたを私だけのものにして、どこかに閉じこめて壊すことが出来たらいいのに。それも出来ない……」
うん? こいつ何を言ってるんだ? ヘンタイか。いや変質者かな。
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