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いつものように昼からレモンサワーを開けようとプルトップに指をかけた時、高架下にひょろりと高い背を丸めて、紙みたいな顔色でペタンと座り込んでいた青年は、フランス人形のように美しい顔立ちをしていた。
整髪料などで整えてこそいないが、定期的に美容院に通っているのであろう髪型、ほとんど生えていない髭、滑らかな白い肌、少しつり目気味の大きな瞳に高い鼻。
ただ、病的に痩せていて、頬の肉がこけ落ちている。
くたびれるまではいかないウインドブレーカーを身にまとったビスクドールは、晴れていればこの河原でバーベキューに興じる大学生の輪の中にいてもおかしくない。
だが、あとからヒルマが語るには、その時ちょうど死のうとしていたのだと言う。
人は見かけによらないというか、身なりによらないものだと学んだ。
わたしはとりあえず、バスタオルで青年をくるみ、愛車兼拠点である外国製の古いバンに引き入れ、電気ケトルで沸かした湯でほうじ茶を淹れた。
抵抗する気力もなさそうだったが、お茶の入った紙コップに口をつけて湯気で温まっている。
伏せたまつ毛が驚くほど長くて濃い。
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