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「本当に寂しかったんだから。一人で入りながら、『あーちゃんと一緒に入るはずだったのに』って」
本当に拗ねてるらしく、揺らすくらいじゃりょーくんの機嫌は治らなさそうだ。
「それなら私も一緒に入るよ?露天風呂」
りょーくんに振り向いてほしくて、そんな事を口にしてみたら
「え?!それホント??」
その直後ギュンって私の方を振り向いてきたからちょっと面白かった。
「うん」
「あーちゃん、一緒に入ってくれる?」
その時の表情も口ぶりも子どもみたいでちょっと笑っちゃう。
「勿論だよ!でもその代わり私もりょーくんも酔いが覚めたらねっ!
酔っ払ったまんまだと体に良くないわけだし」
さっきまでずっと大人っぽいって感じていたけれど、りょーくんにも私みたいな子どもっぽい無邪気な面が残っていたんだと知れて嬉しいし、笑いも込み上げてくる。
「仲居さんは支度済んで部屋に居ないっぽいし酔いもだいぶ冷めてきたから大丈夫ッ!さっきだってベロベロに酔ってた訳じゃないし、今すぐにでも俺は平気!!」
りょーくんは今すぐ露天風呂に入る気満々。
「あーちゃんは?気分悪くない?酔っ払い過ぎてなさそうに見えるからさぁ……一緒にもう、入れるんじゃない?」
こっちを真っ直ぐに見つめて、甘えてきて。
かっこいいけど、凄く可愛いとも感じた。
「もー仕方ないなぁ……じゃあ、入ろっか♪一緒に」
星を見ながら夜風にだいぶ当たったから頭はさっきよりもスッキリしているし、りょーくんの言う通り部屋に戻ってみるともう仲居さんの姿は無く、代わりにお布団が2組仲良く並べられていた。
「お布団、仲良くくっついてるね♡」
「うん……私達と一緒だね♡仲良くくっついてる♡」
その様子を見て、お互いに照れ笑いして……
「露天風呂でも仲良くくっつこうね♡」
「うん♡」
キスをしてぎゅーっと抱き合って、気持ちを高め合った。
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