ママへのプレゼント

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ママへのプレゼント

洞窟の出口へと辿り着くと僕の手の中には1つの球体しか無かった。 僕はすぐにお兄ちゃんの言った事を思い出した。 きっと僕の中の一部になったんだ。 僕は急いでママの所へと急いだ。 ママに必死で説明した。 「ママ~ママ~、今さっき、お兄ちゃんと会ったんだ!お兄ちゃんと洞窟に入って、これ、僕とお兄ちゃんからママにプレゼントだよ!」 僕は喜んでくれると思ったけど、とても怒られた。 「何?!大ちゃん、どこに言ってたの?!知らないお兄ちゃんなんかに付いて行ったら駄目じゃないの!誘拐されちゃうのよ!2度とママに内緒で出て行ったりなんてしちゃ駄目よ!」 その時、お兄ちゃんの言葉が頭をよぎった。 ちゃんと説明して理解してもらうように言ってた。そしたら、またすぐに会えるって。 「ママ、違うよ。お兄ちゃんは僕の前に生まれて来れなかった、僕のお兄ちゃんだよ。お兄ちゃんがママに、これを渡してだって。まだ悲しんで泣いているからだって。それで、このピンク色は、いつまでも愛してるって。オレンジ色は元気で居て欲しいって。」 「大ちゃん、何でそれを知ってるの?まだ大ちゃんには言ってない筈なのに、、」 「お兄ちゃんが教えてくれたの。それで一緒に洞窟で、これを探しに行ったんだ。」 「大ちゃん、その洞窟にママを案内してくれる?」 「いいよ。」 僕とママは、懐中電灯を持ってすぐに、さっきの洞窟に向かった。洞窟があった。 ママはビックリして、 「わぁ~こんな場所に洞窟があったのね。」 ママは中を懐中電灯で照らした、すると不思議な事に1メートル程先は壁になっていて、行き止まりだった。 ママは僕に言った。 「大ちゃん、不思議ね。お兄ちゃんはどんな感じだった?」 「お兄ちゃんは優しかったよ。また会えるって言ってた。」 「そっかぁ。」 そう言って、涙を拭った。 だけど、すぐに笑顔になった。 「大ちゃん、ありがとう。お兄ちゃんときっとまた会えるよね。」 僕は渡しそびれていた球体をママの手にそっと乗せた。 ママは大事そうに抱きしめるように胸の前に持って来ると、少し目を瞑った。 その後、目をゆっくりと開けると不思議とその球体は消えていた。 「あれっ、無くなってる!何で?!」 「ママ、理解するとママの一部になるんだって。お兄ちゃんが言ってた。」 「そうなの?!今日は不思議な事ばかりね。 大ちゃん、ここまで案内してくれて、ありがとう。さぁ、お家に帰りましょう。」 「うん。」 ママと手を繋ぎ家に戻る時、僕は洞窟の方を見た。 すると、そこにはお兄ちゃんが微笑んでいた。僕も微笑み返した。
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