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帰って来た悪夢。 それは高校2年の梅雨時だった。 俺…千夜保は、屋敷に向かって1人で下校していた。 山村は部活があるし、鈴木は図書館に寄るらしい。 その日の天気予報では確かテレビでは快晴と言っていただろうか。 最近では学園に行くのも悪くないと思い出していた。 只、今日みたいに天気予報がアテにならない事もある。 湿度が梅雨時に相応しく高い。 俺は少し先の空に雨雲を発見した。 その雨雲は、少しずつだが、こちらに近付いてる様だった。 傘は持っていない。 なので、俺は少し歩くスピードをあげて千夜組の屋敷へ向かった。 だが、その時。 地面にポツポツ雨粒が落ちたかと思うと。 次の瞬間には、もう土砂ぶりの雨になっていた。 傘だけでなくカッパもない俺に、大粒の雨が降りかかる。 そのあまりのふりかたに、視界はほとんど見えなくなった。 早く雨宿りする所を見付けないとまずい。 ここはコンビニまで戻った方がいいだろうか。 しかし、雨足はとても強く、俺は視界不良になった。 そうこうしてる内にも、雨はドンドン強くなり俺の身体を濡らしていった。 俺は一目散に走りだした。 目に映るのは雨ばかりなので助かる保証はなかった。 だが、運よく目の前に小さな何かの建物らしき物が見えてきた。
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