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会いたくなかった再会
「よせ…先輩…」
俺はケツの先輩の指の動きに、前に逃げる様に歩きながら、声をどうにか絞り出す。
先輩を殴り飛ばしたかったが、以前に犯された時に、あられも無い姿を写メに撮られていた。
それに木村前部長が言っていた。
以前、俺が殴った事で先輩は弱視になった事を。
「アメリカの女は、せっかちでいけないな。1ヶ月手を出さなかっただけでキレた。保…やっぱりお前が良い。尻から溢れる位、出してやる」
こっちが手を出せねーのを良いことに先輩は勝手な事を言う。
嫌だ…雨さえ小降りになってくれれば走って逃げられるのによ。
恥ずかしさと恐怖に俺の身体は震え出した。
「よせって言ってるだろ…先輩。俺は、あんたの事が嫌いだ」
俺の恐怖を肌で感じとったんだろ。
俺の背後で先輩が笑った様な気がした。
先輩は俺が先輩の方を向かないのを逆手にとって、ケツに指を這わせながら、後ろから耳元で囁く。
ゾワゾワとケツから全身に走る感触。
「良いのか?あの時の写メをばら撒かれても」
あの時の写メ…更衣室で犯された時に撮られた写メ。
俺は先輩の携帯を壊したい衝動に駆られた。
そうだ、携帯さえ壊しちまえばいい。
「携帯を寄越せ!」
俺は振り返りざま、先輩の胸ぐらを掴み掛かった。
携帯さえ…先輩の携帯さえ奪えれば…。
先輩はそんな俺に少し驚いたようだ。
「は、離せ。又、スタンガンの餌食にされたいのか?」
「写メやスタンガンで脅すなんて卑怯だぞ!」
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