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壇上でナナを警護するミライが放つ殺気は睨むだけで相手を失神させかねないものだったが、普通にしていれば戦友っぽい感じのミライはどこへ行っても兵士に人気がある。
まだ男性に囲まれることにストレスを感じてしまうエレーナはそれで救われたようだ。
ミライは徒手での格闘についても相当なレベルにあるが、それは人狼のライカンに教わったもので、圧倒的な身体能力と牙、爪を活かすための技が主流で、剣術のような繊細な技術体系を持ったものでは無かった。
「へえー、その足技、テコンドーっていうんだ」
飲み込みの早いミライに兵士たちが寄ってたかって技を教える。
実は人類の主要な武術の全てを達人レベルでインストールされているナナだったら、当然テコンドーを教える事もできるのだが、ミライと兵士たちの交流を微笑んで見ていた。
スカートで足技を実践するミライが必要以上に兵士たちを引き付けてしまってる気はするが、それも今は言わないでおこう。
エイリアンを警戒しながらではあったが十数時間の航海は、和気あいあいとしながら終わりを迎えた。
すっかり打ち解けた兵士たちが別れを惜しむ。
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