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いちばん端の村のさらに向こうには、地の果てがあると言われているし、一日中空に浮かんで村の中を回っている太陽は、手は届かないが、空の上の方を飛んでいる不思議な物体だった。
村の生活は「領主さま」が住む、月のエリアの奥にある原子炉が供給する電気で全て電化されているが、村人たちは地動説や歴史地理の不都合な箇所を大幅にカットされた教育しか受けておらず、実にちぐはぐな文明レベルで生活していた。
そして、地の果ては、触れてはならない禁忌だった。
ミライはずっと、この世界への疑問をアンナに語り続けていた。
だから、いつかこんなことになるのだろうとは思っていた。
地の果ては、禁じられているから行かれないのはもちろん、とても険しい道のりが掟破りの不届き者を阻むと聞いている。
学校で一番の乱暴者で、体力だけは誰にも負けないオーレのやつが過去にアタックしたことがあるが、傷だらけになって挫折して戻ってきたのを知っている。
それでも、ミライがどうしてもというなら、ついて行ってあげようと思っていた。
それに、ミライならやれるのではないかと思っていた。
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