兵器という生き方

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 蘭玲たちは、地下城内に戻ると即座に行動を開始した。  敵を殲滅せずに引き返して来た事について司令部の女性士官に詰問されたが、構わず奥へ進む。  尚も食い下がる士官の腕を振りほどき、蘭玲の腕力では軽く撫でた程度に平手打ちする。  「きゃあっ!」  吹っ飛ばされたプライドの高そうな士官は口の端から血を流しながら起き上がり、顔を憤怒に歪めて睨み付けてきた。  「蘭玲!」  拳銃を抜こうとする士官の腹を、魔人部隊の一人が容赦なく殴り付ける。  吐瀉物で顔と軍服を汚して、堪らず女は意識を失った。  いつも高圧的で、欲情と嫉妬、それに歪んだ優越感の混じった目で蘭玲を見る、最高にいけすかない奴だった。  「お前は簡単には殺さないよ」  自分の下につけて、徹底的に屈辱的に扱ってやる!  蘭玲は部隊を二手に分けた。  蘭玲たちはそのまま司令部を制圧する。  残りは施設の防衛システムを解除しに行く。  治安維持の為の対人戦闘に特化した特殊部隊がすぐにやってくるはずだが、人質を取って少し時間を稼いでいれば堕天使たちが侵入してきて地下城内は大混乱になるだろう。
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