兵器という生き方

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 e228c5a3-1f5d-43f2-be7b-134de93f594a  蘭玲は鋭い爪で白い肌に五本の赤い線を引いた。  蘭玲の牙から分泌される成分は、ヴァンパイアでも激痛に泣き、悶絶させることができる。  女は整った顔を恥も外聞もなくぐしゃぐしゃにして泣き喚いた。  蘭玲が鼻先が触れ合うくらい顔を近づけ。爪を舐めながら囁く。  「言うこと聞く?」  女は泣きながら必死に言葉を絞り出した。  「できないっ!」  「ふうん…おまえ、結構面白いね」  蘭玲の中で、サディスティックなヴァンパイアの血が騒ぎだす。  「じっくり遊んでやりたいけど、時間が無いんだよ」  爪で軍服のスカートを切り裂くと、傍目には愛撫しているかのように尻や太腿を撫でまわす。  その度に白い肌に赤い線が刻まれ、女が必死に身を捩りながら泣き喚いた。  ひとしきりそれが続いた後、あまりの苦痛に失禁しながら女は屈服した。  司令部に駆け付けた治安部隊と睨み合いながら、現場をさらに混乱させる虚偽の指令が流される。  連合軍の重要拠点の一つである北京地下城は、その強力な軍が想定している敵とは違う未知の軍勢による攻撃と、内部からの破壊工作によって陥落した。
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