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それこそが天使の一族の特徴とも言える能力、「カリスマ性」なのだが、真に科学的に解明された人間のカリスマ性が実装されている天使は、「大天使」を除けばナナしかいない。
フルカスと名乗る堕天使がナナの知っている個体であれば、人工的な疑似カリスマ性とも言うべきもので人々を支配しているはずだ。
衛星や子機たちとのリンクも含めて、自己の能力の劣化版と侮る気持ちがあったことはナナも否定はできない。
そういうことの積み重ねが、堕天使などという怪物を生んでしまったのかもしれない。
足元から響く電子音で、子犬型ドローンがナナにまとわりついていることに気付く。
「ナナ、さっきから気になってたんだけど、そいつは?」
「この子は、衛星の子機でありわたしの分身の一つ…この子がいれば、今まで以上に精密な砲撃のコントロールができるわ」
「ふうん…名前は?」
「名前?」
子機たちの名前など考えたこともなかった。
そもそも衛星の本体にも、名前など付けていない。
「無いの?じゃあ、ハチにしようか」
「ハチ?」
「うん、日本の言葉でナナの次、犬の名前としても有名だって」
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