兵器という生き方

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 ナナは最近ミライがゼロ号機のAIを使って世界の勉強をしているのを思い出した。  「そう…ハチ、いい名前ね」  ナナはハチを持ち上げて、胸に抱いた。  「フルカスはこの子と繋がってたことがあるから、この子を介して追跡することができるわ」  ハチを抱え上げて、じっと見つめ合う。  「侵入経路は、あなたに任せます…蘭玲」  そう言ってハチを蘭玲の顔の前に突き出す。  「わたしたちを嵌めようとすれば、残念ですが殺します」  無機質なハチの目を通して聞く天使の声からは、本当に残念がっているような感情は感じ取れなかった。  殺人を躊躇う気持ちを悟られまいとハチで隠したのだが、それを言葉にした以上、何を犠牲にしてでもミライがそれを実行することはわかっていた。
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