復讐者という生き方

1/26
前へ
/645ページ
次へ

復讐者という生き方

 5ed96c11-ace9-4b08-9415-5664a5834cda  天使はそのしもべとして作られたAI搭載機器と精神をリンクさせることができる。  逆に、AIたちは一度主として繋がった天使の精神のパターンを憶えていて、どこまでも追いかけ、ついていくことができる。  今はより高位の天使を主として繋がっているハチだが、かつて繋がっていた堕天使フルカスを憶えている。  ハチが記憶している地下城内の様子とともに、フルカスの居場所のイメージをナナに送ってくる。  ナナが口頭で伝えるイメージから、長年そこで暮らした蘭玲は位置を特定することが出来た。  腕は鋼線できつく後ろ手に縛られたまま、妙な動きをすれば即座に首を斬れるように首にも鋼線が巻かれ、痛々しく食い込んでいる。  その鋼線を握っているのはタルカンだった。  これを凶器として使うことにも慣れているうえに、女王の命令があれば何の躊躇いもなく相手を殺害できる。  そんな不自由な状態でも、積み重なる瓦礫の間を器用に通り抜け、地下城の司令部から死角になるハッチを目指して進んでいく蘭玲の身体能力はヴァンパイアとしても相当なものだった。
/645ページ

最初のコメントを投稿しよう!

17人が本棚に入れています
本棚に追加