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オンカロの地下要塞のような箱庭型の地下都市と違って、あくまでも都市の地下に張り巡らされた通路をベースとした街並みであるため、人に接触しないように身を隠して行動するのは難しい。
そんな中で、東洋系のミライとタルカンはともかく、ナナはあまりにも目立つ。
それに、上層部でどのような権力争いが繰り広げられていようとも、特に影響の無い市民たちの前で隠れることに意味があるとも思えない。
堕天使フルカスたちが占拠する司令部のある方向に進み、通路の支流から大通りに出ていく。
外はまだヴァンパイアが活動可能な深夜だが、地下城内は昼夜の感覚が乏しいのか多くの人々が行きかい、活気がある。
ミライはゼロ号機の資料で見たアジアの繁華街の夜の様子を思い出していた。
明らかに常人とは違うオーラを放つヴァンパイア王とその手下を従えて、眩いばかりの金髪と白い肌、碧く大きな瞳を持った天上の細工としか思えぬ美貌が歩いてくる。
ナナには、その姿だけで人々を陶然とさせる力がある。
繁華街の喧騒が静まり、市民たちがナナを取り囲むように立ち尽くし、視線を逸らせなくなっている。
![c17ecfa7-8203-4fff-9d7f-6587f62917f5](https://img.estar.jp/public/user_upload/c17ecfa7-8203-4fff-9d7f-6587f62917f5.png?width=800&format=jpg)
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