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ほぼゼロ距離での攻撃は、全て当たることが前提になる。
だから敵は、ここに全戦力を投入した。
ミライも、あえて討ち漏らさないためにそれを選んだ。
あえて選んだ以上、ミライには勝算がある。
ゼロ距離で必ず当たる攻撃での斬り合いは、どっちの生命力が勝っているかの我慢比べになる。
強化兵10体との斬り合いであっても、ヴァンパイア王である己の不死性の方が上だと思ったのだ。
人間であれば、絶対に考えられない戦い方だ。
それに、一見不利に見える武器の長さも、ミライなら利点に変えることができた。
短刀は接近戦での自由度が高いが、ヴァンパイアに致命傷を与えるほど大きく肉体を損傷させられない。
長剣は振り回す自由は利かないが、確実に突き刺し、貫通させることで、あとは力任せに敵の体を両断し、ウェンディゴの強化兵であっても息の根を止められる。
まさに、ミライにしかできない力技の戦法だった。
また一体、脳天に突き刺した剣を一気に斬り下ろし、真っ二つに断ち切る。
背後から突進してきた敵兵たちによって、複数の短刀が背中に突き刺されるのを感じた。
肺に溜まった血を吐き出しながら、密着した敵兵の頭を掴み、剣を突き刺す。
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