復讐者という生き方

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 最終的に、今回の惑星攻撃用の天使として選抜された2体を除く天使たちは、無期限の封印をされるはずだった。  2体の天使が乗る戦艦には、遺跡と、大量の強化兵が搭載されることになっていた。  神のテクノロジーによる異能の存在として生み出された自分たちが、生きる意味を、存在する意味を失ったのだ。  選抜から漏れた天使のうち、天使として作られた連中の考えていることは、正直よくわからなかった。  あいつらには人間を超越した精神が与えられていたから、到底理解し合えるとは思わなかった。  たった2体の天使と、大量の雑魚どもが重大な使命を担って送り出されるというのに、その中間にいる自分たちはただ保管しておかれるというのが許せなかった。  それでも、神の一族を動かす組織も、計画も、あまりに巨大で、天使として下位にあるフルカスにはどうすることもできなかった。  只々、不甲斐ない自分と、理不尽な組織への憎悪が募り、凡庸な人間のまま作られた精神が蝕まれていく。  しかし、計画が凍結されることとなったあの日、戦艦の出航前にエイリアンが侵攻してきたあの日から、その運命は劇的に変わってゆく。
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