復讐者という生き方

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 選ばれた天使2体は、その巨大な軍事力が地球を離れるまで発動しないようにあらかじめ封印されていた。  そして。彼らが連れて行くはずの遺跡は、まだ移送されていなかった。  想定外の侵攻は組織にも大きな混乱をもたらし、研究所は壊滅的な打撃を受け、辛うじて封印されていた2体を連合軍が回収していった。  そして、何を考えていたのかわからなかった天使たちが、動き出した。  エイリアンに対抗する貴重な戦力である彼らを、回収しようと連合軍が捜索したが、行方をくらましていた。  彼らも封印に向けて既に異能を起動できないようにされていたため、その逃避行は容易なものではなかった。  神の一族である多くの仲間が、エイリアンとの戦いで命を落とし、個体によっては寿命を迎えて死んでいった。  長い時間をかけて、ようやく異能のプロテクトを解除した彼らは、世界を呪う気持ちから堕天使と名乗り、自らに悪魔の名を与えた。  フルカスも、彼らの計画に乗ってみることにした。  自分を蔑ろにした者たちに、天使として選ばれた者たちに、この呪うべき人生の復讐ができるのなら、何でもよかった。
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