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天使という生き方
ゼロ号機は日本海に出るために、朝鮮半島を縦断するルートを走る。
朝鮮半島は人間の居住する地下施設が多く、エイリアンに対する防護が行き届いていた。
ほぼ戦闘もなく、半島先端の都市まで辿り着く。
「侵略前の世界で、この半島にあった二つの国は戦争状態だったの、だから公共の核シェルターが整備されていたし、隣同士で睨み合っていることで、陸上戦力に特化した軍隊を持っていた…偶然にもエイリアンの侵攻から生き延びられる条件が揃っていたのよ」
日本海に面した釜山という港町は、当然のことながら地上は破壊されてかつての観光名所としての面影はない。
今まで見てきた内陸の都市と違って目を引くのは、港に築かれた防護壁だった。
朝鮮半島の各地下施設は北京の連合軍との交流があった為、事前に話は通じており、迎えに出てきた兵士たちによって地下に案内された。
「あの防護壁は港を機能させる為のものですね?」
「いかにも、あれは防潮堤などではなく、エイリアンを港に入れない為のものです、しょっちゅう破壊されるので辛うじて維持している状況ですが」
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