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五合目基地から、多連装ロケット発射機で打ち出されたロケット弾は無数の子爆弾に分離し、エイリアンが飛び込んだ森に爆弾の雨を降らせる。
目も眩むような激しい爆発が森を焼き払った。
直後に固定砲台から飛び出した歩兵が、人型エイリアンを掃討する。
10秒間の加速ブーストを終えたゼロ号機がまたカーブを折り返し、速度を落として直線路を登っていくと、下ってきた走行可能な戦車部隊とすれ違う。
これでもう、ゼロ号機を追ってくることは出来ないだろう。
ゆっくりと五合目基地の駐車場に現れたゼロ号機を、兵士たちが歓声を上げて迎える。
ナナはあえて、彼らを見下ろすようにゼロ号機の天井のハッチから姿を見せた。
「日本にこれほど強い軍隊が残っているとは思っていませんでした、見事な働きに感謝します」
ああ、ナナはほんとうに人類の王だ!
日本国陸上自衛隊富士五合目基地は、完全に天使軍の指揮下に入った。
それは、連合軍から孤立して生きてきた彼らにとって、間違いなく大いなる救いだった。
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