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当然タルカンとエレーナにも全くわかってはいないが、彼らはあえてそのことで思い悩む様子はない。
彼らは王や天使が決めたことに従うだけだ、しかしミライは連合軍の一方の頂点に君臨する存在なのだ。
「ナナ、わたしにもわかるように説明して」
「ミライ、ここへ来る前に言ったでしょ?日本とアメリカは太平洋に展開する巨大な軍事力を、将来の反転攻勢の為に温存したの…その戦力の居場所は味方にも厳重に秘匿され、この地を直接訪れた天使にだけ明かされ、引き渡されることになっていたのよ」
つまり軍と県知事はその任務を日本政府から託されて本土に残り、たまたま逃げ遅れていた民間人たちを保護しながらここに拠点を築き、この時を待ち続けていたということか。
そういう、天使覚醒後の戦いに備えた任務を持った拠点はこれまでにも見てきたから、今さら驚くことは無い。
しかし、毎回疑問に思うのは、決して知能が高いとは言えないエイリアンを相手に、人間同士で戦っているような情報統制をしていることだ。
堕天使や進化した人型エイリアンの存在は、最近になって確認されたものだ。
元々の作戦がそれらの存在を想定しているはずはない。
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