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「対人型エイリアン近接戦闘用の格闘術を教えている隊員が、かつて連合軍所属の元ヴァンパイアハンターの一族から訓練を受けています」
「最近も交流はあるのか?」
「最後に彼らの里を訪ねてから五年ほど経っていますが、おそらくその場所にいるでしょう、彼らも周辺の集落の住民を保護して拠点を築いていましたから」
「場所を教えていただけますか?少し個人的な事情での行動になるので、わたしたちだけで行きます」
言葉は柔らかいが、有無を言わせぬ決定事項を伝えていることはわかった。
だから、知事もあえて警護を付けるとは言い出せなかった。
「データの場所は、基地基本情報の、関連施設マップ上に・・・ご自由にご覧になっていただいて構いません」
衛星を介して基地のネットワークにつながっているナナが、自分の記憶を辿るようにデータを閲覧できることを承知したうえでの返答だ。
「彼らに、訪問を伝えておくことはできますか?」
「はっ、連絡はしてみますが」
大島一佐が少し困ったような顔で答える。
「あまり外部と、特に連合軍と積極的に関わろうとはしない人たちなので、通信を聞いてはいるのでしょうが、あまり反応はありません」
「そう」
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